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ファストファッションが人気の電子商取引(EC)企業「SHEIN(シーイン)」がこのほど、一部の主力商品の価格を3割以上引き上げた。ファッションメディアのFashionNetworkが報じた。SHEINが値上げに踏み切ったのは、新規株式公開(IPO)に向け、成長の勢いを維持して収益を高められることを証明する狙いがあるとみられる。
英調査会社EDITEDによると、6月1日時点でSHEINが取り扱う婦人服の平均価格は28.51ドル(約4500円)だった。ファストファッションで競合する「H&M(ヘネス・アンド・マウリッツ)」は40.97ドル(約6400円)、「ZARA(ザラ)」は79.69ドル(約1万3000円)とSHEINの安さが際立つ。しかし、2023年の同時期からの価格上昇率では、SHEINが28%とH&MやZARAを上回った。
SHEINは、5~50ドル(約790~7900円)の商品を中心に取り扱っており、これまでは圧倒的な低価格戦略で業績を拡大してきた。同社は決算データを公表していないが、調査会社Coresight Researchによると、24年の売上高は前年比55%増の500億ドル(約7兆9000億円)に達する見通しだという。
中国で設立され、現在はシンガポールに本社を置くSHEINは、米国での上場を目指していたが、米中摩擦などで計画が難航したため、上場先を英国に切り替えたと報じられた。現在は、ロンドン取引所への上場準備を加速しており、評価額は500億ポンド(約10兆円)となる見込みだという。上場が成功すれば、英国で最大級のIPOになるとみられる。
*1ドル=約158円、1ポンド=約200円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
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