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競争が激しさを増し、消費トレンドが目まぐるしく変化する中国アイスクリーム市場で、日本の食品大手・明治が独自の戦略を打ち出している。明治(中国)投資広州分公司の三好紀彦総経理はこのほど新華社の取材に応じ、中国市場への定着と今後の成長戦略を語った。
アイス市場5位入りへ差別化戦略
明治は1993年、合弁事業を通じて中国市場に参入。現在はチョコレート・ビスケット、牛乳・ヨーグルト、業務用、アイスクリームの4事業を展開する。このうちアイスクリーム事業の市場シェアは10位だが、三好氏は「5位以内への躍進を目指す」と意気込む。
中国本土勢や他の外資ブランドがひしめく中、明治は「差別化」に活路を見いだしている。「日本ではアイスクリーム市場6位。最大の強みは製品の独自性にある」と三好氏は語る。日本の美意識を反映した和風シリーズ、現地のトレンドから着想を得たティードリンクシリーズ、高級志向のチョコシリーズといったラインアップで、独自の価値を打ち出している。
販売チャンネルでは、全国とローカルのスーパーやコンビニを軸に、電子商取引(EC)も併用する「オンライン・オフライン両輪型」の体制を構築。オリジナルキャラクター「明治開心果果」と日本の人気アニメ「ちびまる子ちゃん」とのコラボも、若年層への浸透に寄与している。
日本らしさと現地化の両立を図る
多様化する中国の消費者ニーズに対応するため、明治は「日本らしさ」と「現地での革新」を二本の柱とした製品戦略を採用。日本で人気の商品を現地化して展開する一方、中国市場に合わせて開発した独自商品も投入している。
例えば、栗と小豆、抹茶白玉などを使った和風アイスは伝統的な味を基調としながらも、中国の消費者の味覚に合わせて調整を加えている。ティードリンクシリーズは、中国でブームとなっているお茶とフルーツを組み合わせたフレーバーからヒントを得たもので、差別化競争の中核を担っているという。
「中国では、商品が発売され、定着し、売れなくなるまでのサイクルが短く、毎日多くの新商品が登場し、売り場での競争も激化している。それが私たちにより迅速な市場対応を促すことにもなっている」と三好氏。明治は「中国市場は中国で考える」という原則の下、2022年には現地に研究開発センターを設立。東京の開発センターと連携しつつ、中国独自のニーズに対応した商品開発を加速させている。
健康志向を追い風に成長へ
原材料価格の高騰や円安によるコスト圧力に加え、スタートアップ企業の低価格戦略や急速な技術革新も、競争環境を一段と厳しくしている。
だがそうした中で一時的に損失を計上したとしても「中国市場に対する明治の長期的な信頼が揺らいだことはない」と三好氏は強調する。高齢化の加速に伴い、消費者の健康志向はさらに高まる見通しで、「おいしさ・楽しさ・健康」という明治の理念は、将来的な市場ニーズに合致していると見る。
生産体制も強化が進む。アイスクリームの生産では広州と上海の2工場体制を整え、広州工場は稼働率80%に達し、上海工場も2024年に本格稼働を開始した。今後は「日本の技術的強みを、中国のニーズに応える高付加価値製品へと転換することが鍵になる」と三好氏は話す。
中国と日本の経済関係については「貿易がもっと円滑になり、より多くの日本の良い製品が中国に入るようになるとともに、人の往来がより緊密になり、旅行を通じて食品や文化の交流が促進されることを期待している」と述べた。【新華社広州】
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