中国AI「Kimi K3」、Amazon Bedrockで提供開始 海外企業市場を開拓
米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)は9月18日、中国のAIスタートアップ「月之暗面(Moonshot AI)」が開発した最新のオープンソース大規模言語モデル(LLM)「Kimi K3」を、生成AIサービスプラットフォーム「Amazon Bedrock」で提供を開始し、企業顧客や開発者にも全面的に開放したと発表した。ユーザーはAPIを通じて直接Kimi K3を利用でき、基盤となる計算力インフラを構築・保守する必要がない。
Moonshot AIは2023年に設立され、長文処理に強みを持つAIアシスタント「Kimi」を展開している。創業者の楊植麟(Yang Zhilin)氏は米カーネギーメロン大学で博士号を取得し、グーグルや米メタでの研究経験を持つ。アリババグループや紅杉中国(HongShan)などから出資を受け、中国を代表する生成AI企業の一社に成長した。
Kimi K3は、総パラメーター数が2兆8000億に上るオープンソースモデル。ネイティブな視覚理解と最大100万トークンのコンテキストウィンドウに対応し、大規模なコードベースの処理や複数文書の分析、長いプロセスを伴うAIエージェントのタスクなどを想定する。明示的な「プロンプトキャッシュ(過去に入力した内容を保存して再利用する仕組み )」にも対応し、処理時間や利用コストを抑えられるという。
Amazon Bedrockへの採用により、Kimi K3はAWSが世界規模で展開する企業向けAIサービス体系に加わり、AWSの計算資源や課金、セキュリティ、モデル管理の機能を利用して海外の顧客にリーチできるようになる。AWSによると、顧客が入力したデータはモデル提供元に提供されず、モデルの学習にも利用されない。
Moonshot AIはAWSを含む複数の海外クラウド事業者と、モデルの利用収入呼び出しによって得られる収益を分配する協業方式を協議していると報じられている。ただし、AWSの今回の発表では、両社収益分配方式を採用しているかどうかや具体的な商業条件は明らかにされてない。
(36kr Japan編集部)