電波が届かなくても心配なし、圏外でも通信可能なGPS設備「goTele」

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アウトドアや屋外での作業時に、携帯電話の電波が届かないため現在地がわからず、緊急事態が起きても外部と連絡できない状態に陥る危険性がある。こうした問題を解決するために、「小狼科技創新(goTele) 」はソフト、ハードの両面から新製品を開発してきた。現在提供されているのはソフトウェアのGPSツールボックスと、ハードのGPSオフライン追跡装置であり、ともに自律分散型のアドホックネットワーク技術に基づいたものだ。

GPSツールボックスは携帯電話のGPS機能を使った位置情報サービスソフトウェアである。アプリ内にコンパス、速度測定、ポジションマーカー、ルート追跡、面積測定、電磁放射探知機能が集約されている。同社創業者の葛暁斌氏によると、アプリのプロモーションは一度もしたことがなく、現在のユーザーの半分が友人の推薦で使い始め、37%が検索で見つけたのだという。ユーザーの7割が通信、水利、農業、交通、パイプラインなど専門性の高い業種の関係者で、好評を博している。現在Android OSのアプリしか提供していない状況でユーザーが800万近くに上り、月間アクティブユーザー数は60万近い。

GPSツールボックスの画面

ハードのGPSオフライン追跡装置は、携帯電話の電波が届かない屋外でも位置情報の共有、人の姿勢の感知、メンバー間のSMSの送受信、SOS機能が使用できる。ベースとなっているのが、同社が採用しているアドホックネットワーク技術である。簡単に言えば、この技術はネットワーク内のすべてのデバイスを電波の送受信が可能な基地局にした上で、goTeleが独自開発した通信プロトコルを組み入れ、ローカル・エリア・ネットワークを形成するものである。したがって、ネットワーク内の複数のデバイスが故障したとしても、ネットワーク全体の稼働は影響を受けない。ネットワークの有効範囲は半径5キロで、大半の屋外のシーンに対応できる。

現在、goTeleの初代製品はすでに量産化され、北米、欧州の十数カ国で1万台以上売れている。第2世代の製品は開発中で、まもなく量産できるという。 葛暁斌氏によると、ポータブルGPSにはすでに大手企業の製品があるが、アドホックネットワーク機能がないのが弱みである。goTeleは今後GPS機能のある携帯電話、トランシーバー、追跡装置などを開発し、これらが互いにつながるようにすることで、プロダクトミックスとしての強みを持つことができるという。

GPSハードウェア(左:初代の追跡装置。右:第2世代のgotele xquadシリーズ)

goTeleの売り上げは、ハードの販売とアプリの会員料からなる。海外ではアマゾンなどのチャネルを通して販売しており、今後アプリのユーザーをハードの購買に誘導するような戦略を検討している。

また、同社はiOSバージョンのGPSツールボックスと海外版の開発を急いでおり、クラウドサービス、企業版なども模索している。ハードウェアのSDK(ソフトウェア開発キット)を公開する予定もあり、それによりサードパーティの地図アプリとデータを共有し、より多くのユーザーを取り込むことを目指す。

goTeleは2018年12月に「清水湾基金( Qingshuiwan Fund)」から資金を調達し、現在次の資金調達を求めている。

(翻訳:小六)

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