京東はPB「京造」のオンライン販売を始める

1月中旬、ジンドンはこっそりと日用品のPB「京造」をオンライン販売する

「京造」という名前は、”京東造”=「ジンドンが出した製品」という表面的な意味の他にも”精心造”=「真心を込めた製品」、あるいは”経得起造”=「耐朽性の高い製品」といった意味にもとらえることができる。(中国語では”京”、”精”、”経”は同音)ジンドンはサプライチェーンや流通量のアドバンテージを利用して、自身の「網易厳選」を作ろうとしているのかもしれない。

ある情報源から36kr.comに知らされたところによると、このプロジェクトは上海の20−30人から成るチームによって、去年の9月から始められているようだ。このPBは網易厳選や米家有品(シャオミーが販売するPB)などをベンチマーキングしており、選び抜かれ、コストパフォーマンスに優れ、特徴のある製品を提供している。京造はOEM/ODM生産を採用しながらも、網易厳選よりも高い生産レベルを約束している。

ジンドンは2017年4月に、CMO体制を2年ぶりに再び設立させることを発表したばかりだが、このプロジェクトはジンドンの特定の事業グループに所属するのではなく、CMO(Chief Marketing Officer:最高マーケティング責任者)指揮下に置かれるようである。そのため、元々ある仕入れや販売のシステムに干渉されることが比較的抑えられ、一定の流通量が見込まれると考えられる。

京造のフラッグシップ店のプロモーションサイトによれば、1月17日は第一回目の正式なプロモーションの日で、「京造超級単品日」(京造スペシャルプロダクトデー)と名付けられている。これまでに京造は初期に限って顧客に製品テストを行ってもらっている。丁度筆者もWeChatのモーメンツ機能を通してフラッグシップ店の527番目のフォロワーになったところである。

アップされていた34種類の商品の中には、スーツケースやコットンパフ、電動歯ブラシ、タオル、ベッド用品、下着や靴下までもが含まれており、バスルームや寝室、オフィス、旅行、ファッションといった様々な場面で必要とされるものをカバーしていることが分かる。

消費者としての体験では、京造は確かに網易厳選と似ていると言える。タイ産のラテックス枕、ウイグル産の綿のタオルなどの商品は、網易厳選でも同じような型が同じような価格で売っており、商品のキャッチコピーも似たようなものが使われている。製品テストでの評価でもこの二つのブランドの製品が比較されている。

実際のところ、ジンドンが網易厳選や米家有品、タオバオ心選(good.tmall.com)などのブランドと競争するのは少しも不思議ではない。不思議なのはジンドンがなぜ今になってそれを始めたのか、ということである。

様々な観点から見ても、ジンドンがプライベートブランドを持つのは当然のこと

一つ目として小売の観点から考えてみよう。様々な小売業者は、豊富な在庫というアドバンテージに加え、どんな商品がよく売れるかを知り尽くしているので、PBを持つのは自然なことと言える。例えば、コストコ(Costco)やセブンイレブン(7-Eleven)、ウォルマート(Walmart)、アルディ(ALDI)といった小売業界の巨頭はどれも、品質の高いPBを販売することにより顧客の心を掴み、販売利益を上げてきた。オンラインショッピングの時代になって、ジンドンの豊富な在庫というアドバンテージはすなわち流通量のアドバンテージでもある。もちろん、PBと製造メーカーには必ずと言っていいほど駆け引きがあるが、小売業界はすでに両者が共に発展できることを証明している。

二つ目はオンラインショップ間の競争という観点だ。この分野においては、まず網易厳選が成功のテンプレートを示し、その後に米家有品、タオバオ心選と続く。成功のテンプレートはすでに固まっており、製造メーカー開拓も一定の段階に達した。これ以上参入を先延ばしにするなら、もう手遅れになるだろう。

三つ目はインフラの観点だ。ジンドンの持つ独自オンラインショップ経営の能力やインフラは一流だ。流通の多さや豊富な在庫、物流のノウハウは評判が高く、網易厳選も現在ジンドンの物流会社(ジンドンから独立し、他のプラットフォームのために配逹サービスを提供している会社)を利用している。プラットフォーム型ではない独自のオンラインショップは製造メーカーと深い協力関係にあり、ジンドンは製造メーカーと協力する上で当然有利な立場にある。

四つ目は消費のアップグレード化という観点だ。網易厳選や京造はブランド化、機能性重視、高いコストパフォーマンスを目指しており、消費のアップグレード化を望む人々は生活のクオリティーや買い物の効率性を重視している。そうした意味ではジンドンの顧客と京造の目指すところが基本的には一致していることになる。

この世に「絶対」というものは勿論なく、京造も困難に直面するだろう

①内部の抵抗

どんな大企業においても、内部から新機軸を打ち出すとなれば様々な抵抗に直面するだろう。例えば、PBと製造メーカーの間での衝突が起こるかもしれない。アマゾンがたくさんのPBをせっせと作りながらも宣伝を控えているのはこの理由によるためだ。ジンドンもかつてPBを4、5つ作ったことがあるが、どれも失敗に終わった。PBと元々ある仕入れや販売のシステムとの間で問題が起きる可能性もある。そうなれば、この新しいブランドも十分な流通量を得られなくなるかもしれない。

②サプライチェーンの難しさ

ジンドンと製造メーカーが深い協力関係にあると書いたが、これはサプライチェーンがすでに完成していることを意味するのではない。元々深く協力しているメーカーが必ずしも京造の望む製品を生産できるわけでもない。とりわけ、ネットイーズやシャオミーがすでに優良製造メーカーと協力しており、京造自身も新規ブランドであることを考えると、全てをゼロから始めなければならず、最初の方は注文も多くないだろう。

③同質化による競争

今後、網易厳選やシャオミー、タオバオ心選、京造が同じような製品を売り出し、同じようなストーリーを語るようになれば、この全ては突然つまらないものになるだろう。もしも製品や経営・販売が同質化するようなことになれば、これは価格や流通量の競争になる。そして流通量に関して言えば、タオバオ心選や京造に比べて網易厳選の方が優位にある。ジンドンの新たな突破口は、おそらくデザイン面での改善(以前に購入した女性用の服のデザインから考えれば、まだまだ課題がありそうだが)にあるかもしれない。あるいは、小売の背景を武器にしてオンライン以外での販売ルートを迅速に見つけることかもしれない。

網易厳選も製品の同質化のもたらすボトルネックをすでに意識しており、ホテルを対象にしたデザインやソフトウェアの提供サービスなど、新しいビジネスを試し始めている。結局のところ、オンラインショップ+(プラス)新しい小売の時代にPBが成功するためには、販売ルートや流通量、サプライチェーンを押さえるだけではなく、顧客のニーズの変化に応えることと、絶えず裾野を広げていくことが必要とされているのである。

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