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※Update※
Voodooは、テンセントが同社の少数株主になったことを明らかにした。テンセントによる出資額などは公表していないが、創業者のAlexandre Yazdi氏は筆頭株主であるに変わらないという。
7月14日夜のブルームバーグの報道によると、テンセントは5億ユーロ(約610億円)未満の価格で、フランスのゲーム会社「Voodoo」の株式20%〜25%の取得を目指しているという。Voodooは、ハイパーカジュアルゲームの著名なパブリッシャーであり、よく知られているゲームに「Roller Splat」、「Snake VS Block」などがある。
消息筋によると、テンセント以外にも同社の買収を目指す企業がいくつかあり、現在わかっているだけで大手ゲーム会社の「Ubisoft Entertainment」、ソーシャルゲーム開発の「Zynga」が買収を考えている。今年5月のブルームバーグの報道では、Voodooの時価総額が約15億ユーロ(約1800億円)となっていた。
この件についてテンセントからはコメントを得られなかった。
テンセントは今年に入ってから、ヨーロッパでゲーム会社買収の動きを活発化させている。1月にオンラインゲーム「カオスオンライン」を開発した、ノルウェーのゲーム開発会社「Funcom」に買収オファーを出し、2月に「スペックオプス: ザ・ライン」を開発した、ドイツのゲーム開発会社「Yager」の株式の一部を取得した。
これまでの10年間を振り返ると、テンセントは子会社化または株式の取得を通じて、全世界でゲームIPの取得に勤しんできた。買収先の多くは欧米と日韓の企業であり、モバイルゲーム、パソコンゲーム、ゲーム関連技術など各分野に渡っている。
昨年、テンセントの投資戦略を担当する部署「騰訊投資管理」の李朝暉パートナーは、テンセントは毎年数十のゲーム会社に投資しており、2019年11月末までに計100社以上に投資したと話した。そのなかには、「リーグ・オブ・レジェンド」を開発した「Riot」、「クラッシュ・オブ・クラン」を開発した「SuperCell」、「ギアーズ・オブ・ウォー」を開発した「Epic Games」、「アサシンクリード」を開発した「Ubisoft Entertainment」、「コール・オブ・デューティ」を開発した「アクティビジョン・ブリザード」、「PUBG」を開発した「Bluehole」など、世界的にヒットしたゲームの開発会社が多数含まれている。
ハイパーカジュアルゲームとは、非常に単純な操作でプレイできる基本無料のモバイルゲームの総称であり、Voodooの買収の行方が注目されているのは、同社がこの分野の世界最大手だからである。モバイルアプリ専門の市場調査会社「Sensor Tower」の集計によると、2020年5月の開発会社別ハイパーカジュアルゲームのダウンロード数において、Voodooは世界トップであった。
ハイパーカジュアルゲームのユーザー数は、世界全体で急増している。上記グラフのトップ10の会社のゲームのダウンロード総数は、今年5月にApp StoreとGoogle Play合わせて7億回に上り、前年同期比で42.8%増え、モバイルゲーム全体ダウンロード回数の13.9%を占めている。
付け加えると、新しくゲーム事業に参入した「字節跳動(バイトダンス、Bytedance)」もハイパーカジュアルゲームを突破口としている。新型コロナ禍による巣ごもり需要もあり、同社の「Brain Out」、「ヒーローズコンバット」、トランプゲームの「小美闘地主」などはiOSの無料ゲームランキングで上位につけている。一部のゲームは海外でもリリースされ、なかでも「ヒーローズコンバット」は今年3月に日本のモバイルゲームダウンロードランキング第2位の好成績を収めた。
(翻訳:小六)
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