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9月18日朝、不動産大手「恒大集団(Evergrande Group)」傘下の新エネルギー車メーカー「恒大汽車(Evergrande Auto)」が、上海証券取引所の科創板で上場する計画だと発表した。
9月15日の公告によると、恒大汽車はライツ・イシューの方式で40億香港ドル(約560億円)を調達し、ジャック・マー氏が創設した「雲鋒基金(Yunfeng Capital)」、テンセント、セコイア・キャピタル、DiDiなど有名企業が出資した。
ライツ・イシューの発行価格は、9月14日の恒大汽車の終値の28.8香港ドル(約400円)より19.96%安い22.65香港ドル(約320円)となった。今回の資金調達完了後、恒大汽車における恒大集団の持ち株比率は73.5%に下がった。
今年に入ってから、テスラが時価総額最高の自動車メーカーになり、中国の新興EVメーカーが集中的に上場するなど、全世界の資本市場で新エネルギー車産業への追い風が続いている。
今年4月、中国証券監督委員会はレッドチップ企業が中国国内で上場する際のハードルを引き下げた。従来の「時価総額2000億元(約3兆円)以上」のほか、時価総額200億元(約3000億円)以上でも、独自開発した世界トップクラスの技術を持ち、イノベーションに強く、競争で優位に立つ企業は対象に組み入れた。
中国本土で上場すれば、各種優遇政策の対象になり、資金調達もよりスムーズになるため、この政策の変化により、香港で上場している「吉利汽車(Geely Automobile)」が6月に科創板でのIPOを申請し、200億元(約3000億円)を調達する予定だと発表した。ほかにも、「東風汽車(Dongfeng Motor)」、「威馬汽車(WM Motor)」などが科創板でのIPOを目指している。投資銀行関係者によると、恒大汽車の上場は時間の問題だという。
恒大集団の本業は不動産だが、近年買収を繰り返し、新エネルギー車メーカーとしても大手に成長した。現在の恒大汽車は、完成車生産、パワートレインアセンブリ、動力電池、自動車販売、スマート充電など、新エネルギー車の産業チェーン全体を自社で所有している。
今年8月、恒大汽車は「恒馳」ブランドの新型車を一気に6車種発表し、性能はテスラと同等だと宣伝した。量産化は来年下半期となり、上海、広州工場は今月中に試験的生産を行うという。
恒大汽車の2020年業績中間発表会において、同社の劉永灼総裁は、恒馳の体験試乗、販売、アフターサービスのネットワークの構築を急いでいると話した。現時点では、恒馳の体験試乗店が36、販売店1600、アフターサービス店は直営・代理合わせて3000の予定だ。
2019年の新エネルギー車の全世界販売台数は221万台で、うち中国市場での販売数は121万台となった。市場の拡大が続いており、それに伴い、新エネルギー車企業は数が増え、実力を身に着けてきた。前出の投資銀行関係者は、「新エネルギー車市場は数兆元(約数十兆円)規模にもなり、チャンスを掴むには迅速に規模を拡大していかなければならない。そのため、各企業とも資金調達を急いでおり、上場に積極的である」と指摘する。(翻訳:小六)
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