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AR・VR関連技術の研究開発に従事する「詮視科技(Xvisio Technology)」がシリーズAで数千万元(数億円)を調達した。リード・インベスターは「深圳市創新投資集団(Shenzhen Capital Group)」、コ・インベスターは「清科創投(Zero2IPO Venture Capital)」。
詮視科技は2018年からこれまで、プラグアンドプレイのVisual SLAM(VSLAM)システムモジュール、主要光学機器に対応したAR・VR用ハードウェアプラットフォーム、AR・VRグラスのシステム最適化・標準化を含むソリューションの展開とアップデートを行ってきた。
VSLAMとはカメラを用いた「自己位置推定とマッピングの同時実行(Simultaneous Localization and Mapping)」のことで、空間認識やヒューマン・マシン・インタラクションの基幹技術だ。
詮視科技は2019年以前から、アルゴリズムやデバイス技術など基礎技術の研究に打ち込んできた。そして今年、これまで研究してきた基礎技術ユニットをSlim Edge XRプラットフォーム上に統合した。これはインテル社の高性能VPU「Myriad X」をベースにAIチップを加えたXR(VR・AR・MRなどの総称)インタラクションプラットフォームで、空間認識や深度データの処理、オーディオ・ビジュアルの処理、ジェスチャー認識、物体認識、アイトラッキングなどXRグラスに必要な全てのインタラクション機能を集約しており、さまざまな光学機器に対応している。
創業者の林瓊氏はAR産業がまだ初期段階にあるとの認識を示し、技術の蓄積や基礎技術の統合スキルを向上させることが課題だとしている。
サプライヤーの観点からすると、コア技術を持つ開発企業が基礎技術のみを提供し、短期間で製品に統合ことができない場合、製品のリリースまでに多くの時間がかかってしまう。このため詮視科技は今回調達した資金で、VSLAMの基礎技術を業界で主流となっているチッププラットフォームのシステムに統合することに引き続き注力するとしている。
2021年には複数のプラットフォームに向けたARシステムのソリューションを打ち出す計画で、ARとAIの連携、デバイスとクラウドの連携、セパレート型と一体型の両立などのソリューションが含まれるという。
林瓊氏はこう語る。「我が社のコアコンピタンスは、VSLAMのベースとなるアルゴリズム、主流となっている複数のモバイルチップのプラットフォームでの展開、AR活用分野のSDK(ソフトウエア開発キット)の作成の3つだ。この三位一体のスキルに加えて、システムインテグレートにおける経験を活かし、ユーザーにいち早くサービスを体験してもらえるようになる。最近リリースしたSlim Edge XRスターターキットはまさにこの志のもとに開発を進めた。我々の目指すところは、インタラクションやARをもっと手軽で身近なものにすることだ」
ビジネス向けのARニーズは特化型で利用シーンが想定しやすいため、オンライン医療や教育、遠隔支援、研修など多くの分野ですでに実用化が進んでいる。詮視科技は高い双方向性が求められるこのビジネス向け市場に注力して、自身の強みを十分に発揮したいと考えている。
中国のAR・VR市場規模(ビジネス向けと消費者向けを含む)は2021年に544億5000万元(約8550億円)に達すると予測される。今回出資した深圳市創新投資集団の投資ディレクターは、詮視科技のコア技術やチームの実行力を高く評価しており、将来的な成長に大きな期待を寄せていると語った。(翻訳・畠中裕子)
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