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消息筋によると、新興EVメーカー「小鵬汽車(Xpeng・シャオペン)」は自動運転用のチップの開発を数カ月前に始めたという。開発は現在米中で同時に行われおり、メンバーは10名未満で、順調に行けば年末から来年初めにかけてテープアウト(設計完了)できる見込みだ。
北米での開発責任者は同社北米法人CEOのBenny Katibian氏だ。同氏は半導体大手クアルコムの出身で、小鵬汽車では自動運転のハードウェア、アーキテクチャ、システムデザインを担当しており、小鵬汽車とエヌビディア、クアルコムの協力関係の強化にも関わっていた。
小鵬汽車の中国での開発責任者は共同総裁の夏珩氏で、チップ開発人材を広く募集している最中だ。すでに小鵬汽車からオファーを受けているチップエンジニアもいるという。
自動運転チップの自社開発はテスラが最初に始めたことで、ソフトからハードまで自社の技術で統一した同社のスマートカー技術は群を抜いている。テスラは2016年に半導体大手AMDのJim Keller氏を招聘し、正式に自動運転用チップの開発を始めた。量産車に自社のチップが搭載され始めたのは2019年4月で、それまでは「Mobileye」の「EyeQ3」、エヌビディアの「Drive PX2」などを使用していた。
テスラと同様、小鵬汽車、「蔚来汽車(NIO)」、「理想汽車(Li Auto)」の3社も現時点では外部のチップであるエヌビディアの「Orin」を採用し、ソフトウェアとアルゴリズムを自社開発している。それがここにきて、自動運転技術をソフトからハードまで自社開発する方針に切り替える動きが見られるようになった。
蔚来のチップ開発については昨年10月に報道され、シャオミのチップ事業総経理だった白剣氏をハードウェア事業副総裁として招聘し、開発を行っている最中だ。理想汽車についてはまだ正確な情報がなく、同社CTO(最高技術責任者)の王凱氏は、まずアルゴリズムを完璧にしてからチップの自社開発を考えると話していた。最新の情報によれば、王凱氏の配下で技術ラボが立ち上がったようだが、チップの開発をしているかどうかは不明だ。
小鵬汽車はスマートカー技術が売りで、ソフトウェアが比較的完備されている。そのため、ハードウェアの要件定義がはっきりしており、自社開発するのに適している。専門家によると、外部の汎用性のあるチップよりも、自社開発したほうが性能を最大限まで発揮でき、不要な機能を落とせるため、結果的にコストが低くなるという。
また、自動車事業への参入を発表したばかりのシャオミも、チップの「澎湃C1」の開発を続けると宣言した。同社CEOの雷軍氏は取材に対し、「技術の積み重ねによる技術的ハードルは、最終的にはチップに集約される」と話し、チップ開発で他社との差をつけたい狙いが透けて見える。
新興EVメーカーの技術開発競争は今に始まったことではない。それがいよいよチップの分野まで広がってきたのである。
(翻訳・小六)
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