原文はこちら
セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録
2021年の上海モーターショーで誰もが見逃せない存在があった。新興EVメーカー「NIO(蔚来汽車)」が展開するカーオーナー向けセレクトショップ「NIO House」だ。
NIOのブースでは複数の車両やコア技術が展示された以外に、比較的大きなスペースを割いて、衣料品や照明器具、ソファ、コラボデザインのバッグ、麻雀までを網羅するNIO Houseの商品が展示され、多くの人の目を惹いた。
まるで本業からかけ離れているかのようにみえるが、NIO HouseはNIOの事業の核心となる構成要素だ。
4月19日、NIOは上海モーターショーで循環型ファッションプロジェクト「Blue Sky Lab」を本格始動させると発表した。車両製造の過程で生じたエアバッグやシートベルト、シート表皮、アルミニウムなどの端材を再利用し、持続可能なライフスタイルを体現するファッションアイテムに生まれ変わらせるプロジェクトだ。
NIOのライフスタイルブランド「NIO Life」を統括するシニアディレクター劉婕氏によると、NIO Lifeが提案する商品の多くは自動車と無関係だが、既存カーオーナーとの関係形成が目的であり、「彼らに価値、喜び、感動を提供するもの」だという。
NIO Lifeは2018年に立ち上げられ、これまでに服飾品、スーツケース、ガジェット、家具・インテリア雑貨、カーライフ、カーホビー、ホテルステイ、食品の8カテゴリーを展開し、300万点以上の商品を取り扱ってきた。英インテリアデザイナーのトム・ディクソン氏など世界的なデザイナーとコラボレーションし、商品の企画開発、デザインからサプライチェーンまでを手がける専門チームを商品カテゴリーごとに設けているという。
「NIO Lifeの商品は単なるNIOグッズではなく、高品質でデザイン性に優れた商品だ。デザインは今後、消費のアップグレードをもたらす核心的要素になってくる」と劉氏は述べる。
派生プロジェクトが牽引する形でNIOのユーザーコミュニティは会員の定着率を高め、ブランドへの帰属感や共感性を高める。Blue Sky Labでは今年初め、会員からデザイナーを募集し、最終的にはジュエリー、ファッション、建築などさまざまな分野に携わる10人の会員がデザイナーとしてプロジェクトに参加した。
NIOは顧客に車を販売するだけでなく、新しいライフスタイルを提案し、それに合わせた多様な体験を提供する。NIO Lifeはユーザーコミュニティのコンテンツを形成する重要な要素でもあり、まだNIOの車を持たないユーザーにも憧れを想起させる。
劉氏が昨年10月に明かしたところでは、NIO Lifeの商品を購入するの顧客のうち、半分はNIOのカーオーナーではないという。コアユーザーは一〜二級都市在住の新中間層で、大部分は男性のマイカー所有者だ。
「すべてのブランドには独自のカラーがある」。NIOブランドの中核にあるのは常に自動車だが、「気分だけで車を選ぶ人はいない。乗る人の安全を考えれば最高品質を求めるのは必至だ。この原則を守りながら、NIO Lifeは日常生活を豊かにする取り組みをしていく」と劉氏は述べる。
(翻訳・愛玉)
原文はこちら
セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録