中古ブランド品取引が中国で急成長 成功の秘訣は確かな鑑定力とプロセスの自動化

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中古品販売プラットフォームの「只二(Zhier)」がシリーズCで数千万ドル(数億円)の資金調達を終えた。リード・インベスターは「Enlight Growth Partners」、コ・インベスターは「天府基金(Tianfu Fund)」だ。既存株主である「Vision+ Capital」「Redpoint Ventures China」「Hearst Ventures」なども引き続き投資をする。

只二は、売り手と買い手をつなぐ中古ブランド品取引のプラットフォームで2016年にスタートした。設立当初はアパレル関係に特化していたが、17年より現在のレディースのバッグ、ジュエリー、腕時計、服飾やメンズのバッグ、腕時計、アクセサリーを取り扱っている。

設立当初の数年間は経営の中心は「商品の転売」であった。只二は買取、撮影、査定、鑑定から出品までの各段階をデジタル化・自動化した。現在は出品するまでの時間が72時間以内となっている。コストも毎年削減されているという。中古ブランド品取引で重要なのは鑑定段階であるため、只二には20人余りのベテラン鑑定士が一つひとつの商品を厳しくチェックしている。

画像提供:只二

創業者の祝泰倪奇氏は、同社について「すでに中古ブランド品取引を標準化できるだけの能力をつけた。今後は『転売者』から『運営者』の立場で、売り手と買い手の信頼感をより一層強化する必要がある」との認識を示した。

只二の考えでは、優れた売り手は中古ブランド品にとっての重要顧客であり、売り手向けサービスはシンプルかつ高効率な設定となっている。アプリ上での郵送販売サービスに加え、売り手宅に赴き1対1のサービスを提供し、販売アドバイスも行っている。

一方の買い手側については、持続的な信頼関係を構築することに重点を置く。そのため販路と販売シナリオの開拓を常に行っている。アプリ、ミニプログラムに加え、人気ソーシャルECアプリ「小紅書(RED)」や大人気ショート動画プラットフォーム「抖音(Douyin、海外版はTikTok)」なども販路として加わった。

初となる旗艦店も今年7月に上海でオープンする予定だ。商品を販売する他に、サロン、オークション、鑑定なども開催し、顧客との距離が近い多様化したサービスを提供するという。

現在、只二と取引のある売り手は10万人を超えている。只二はアルゴリズムによりプラットフォームで販売しているラグジュアリーブランドの最適化を図り、回転率の高いブランド品に焦点を当てたことで、客単価が前年同期比で2.5倍増となった。祝泰倪奇氏によると、同社のGMV(流通取引総額)は2020年には3倍増となっており、買い手の80%以上がリピーター、取引された商品の70%が常連の売り手が出品したものだという。

画像:只二

新型コロナウイルスの感染拡大とライブコマースの普及などにより、中古ブランド品の消費者層は増加しつつある。ユーザー層は若年化しており、消費能力は高くなっている。只二の売り手59%、買い手42%の年収が40万元(約680万円)を超えているという。直近1年で25歳以下のユーザーが全体に占める割合は20%増えた。若年層についていえば、品質が保証されたブランドの中古品をお試し用途で購入しており、コストパフォーマンスがよいとのことだ。

祝氏は、中古ブランドを扱うプラットフォームが市場で生き残るためには、品質保証が大前提で、それに加えてプラットフォームの出品者に対する運営や使用体験、ユーザーとの長期的な信頼関係がしっかりできているかどうかがカギになるという。只二の今後の目標は、より多くの人に優れたエクペリエンスを提供できる企業になることだとの認識を示し、売り手・買い手双方とも良好な関係を築くによって、売り手側には良好なサービス体験を提供し、買い手側では口コミがしっかり拡散するようにしていくとした。

今回リード・インベスターを務めた明裕創投の鄭維周氏は、「中国のラグジュアリー市場の持続的な発展にともない、中国のブランド品リサイクル市場は発展のチャンスを迎えている。只二は、商品供給システムを標準化したことで、取引効率が大幅に向上した。また、ユーザーに対してはより便利な商品取引体験とサービスを提供している。明裕創投はサービス重視、顧客第一の理念に共感し、只二を有望視している」との期待感を示した。
(翻訳:lumu)

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