30代中国人CEO、地元の教育向上に85億円寄付。TikTok運営のバイトダンス

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ショート動画アプリTikTokを運営する中国バイトダンス(字節跳動)の創業者、張一鳴(Zhang Yiming)CEOは6月22日、故郷の福建省竜岩市に5億元(約85億円)を寄付した。同市教育局が発表した。
同市は「芳梅教育発展基金」を設立し、寄付金を教師の研修やキャリア教育の充実、教育のIT化、奨学金拡充、学生寮の建設など教育環境の整備に投じる。基金の名称「芳梅」は、張氏の母と祖母の名前から、1文字ずつ取ったという。

張氏は5月20日、年内いっぱいでCEOを退任すると公表し、従業員にあてた手紙で「日常業務から離れて、創業者としての本来の業務である長期戦略、企業カルチャー、社会的責任などに集中したいとの思いを強めた」と明かしていた。

母校の永定一中を訪問する張一鳴CEO(竜岩市教育局サイトから)

教育分野にも以前から高い関心を持ち、2019年10月には母校の南開大学に1億元(約17億円)を寄付。さらに2020年9月に、出身高校である竜岩永定一中学(高校に相当)に施設拡充のために1000万元(約1億7000万円)を寄付していた。今年4月に発表されたフォーブス長者番付によると、1983年生まれの張氏の資産額は約3.9兆円、世界39位。

竜岩市は人口約260万人の中規模都市だが、張氏だけでなく中国最大のフードデリバリー企業「美団(Meituan)」の創業者、王興CEOも輩出している。4 歳違いの2人は公私ともに親しく、ビジネスの方向性を探っていた張氏に、王氏が稲盛和夫の著書を勧めたというエピソードもある。
ちなみに王氏も2021年5月、家族と連名で出身高校の竜岩第一中学(高校に相当)に1000万元を寄付し、「王興教育基金」を設立した。

(文・浦上早苗)

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