四面楚歌の中国発EVベンチャー「ファラデー」、倒産の危機か?

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中国発のEVベンチャー「ファラデー・フューチャー(FF)」をすでに退職した共同創業者のひとりが、同社は破産の危機に陥っていると明かした。

米大手テックメディア「The Verge」によると、ファラデーと筆頭株主である恒大健康産業集団(Evergrande Health Industry Group)の間で衝突が生じ、資金が枯渇している状況だという。10月22日、ファラデーは全従業員に「人員整理」「給与の20%カット」を通知していたが、さらに、カリフォルニア州ガーデナにある本社、ハンフォードにある工場の一部業務の停止を決定した。

ファラデーは2017年8月にハンフォード工場の借地契約を結び、1300人程度の雇用創出を地元政府に約束し、2018年の大部分をSUVタイプのEV「FF91」の生産準備に費やしてきた。なお、ガーデナにある本社ビルは2014年に購入した。

同社の社内メールによれば、恒大側の契約違反によって資金繰りが悪化したとのこと。5月1日以降に入社した従業員には11月と12月は休職命令が出され、給与も支払われない。それ以前に入社した従業員は引き続き「FF91」の製造に携わるが、給与はカットされることになる。同社の関係者は「資金さえ得られれば、2ヶ月程度で正常な状態に戻れる」と述べている。

The Vergeが従業員や元従業員に取材したところ、今年5月1日以降、正社員が会社にとどまる場合、年5万ドル(約560万円)の減収を求められたとのこと。6ヶ月以上勤務のパートタイマーも、社内にとどまることを許されたが最低賃金での雇用になるようだ。ファラデーの共同創業者、賈躍亭(ジア・ユエティン)氏は「資金源をいつ確保できるかによるが、このような状況は少なくとも12月までは続く」と述べている。言い換えれば、それまでに状況が好転しなければファラデーの振り子が止まる可能性もあるということだ。

財務困難で創業者2人が離脱

共同創業者のひとりで、10月30日付で辞職したNick Sampson氏は「ほぼ倒産」と述べている。「ファラデーは債務超過に陥っている。余命は長くない」と断じてはいるが、「状況が好転した場合は会社に戻る可能性もある」と含みも残している。Nick Sampson氏が辞職した前日には、同じく共同創業者のPeter Savagian氏が辞職しており、現在、ファラデーに残っている共同創業者は賈躍亭氏のみとなった。

今年7月までにファラデーは恒大側から8億ドル(約900億円)の出資を受けたが、残りの12億ドルの支払いは拒否されている。香港国際仲裁センターは、ファラデー側に対して新たに最大5億ドルの資金調達を許可する判断を出しているが、いまだに恒大側から同意は得られていない。賈躍亭氏は「現在、複数の投資者と話し合っている」と説明している。

全従業員の給与カット、業務の停滞、休職命令、そして共同創業者の離脱……ファラデーが窮地に立たされているのは確かだ。さらに大株主との間にトラブルも抱えているとなれば、新たな出資者を見つけ出すことは相当に困難だろう。
(翻訳・飯塚竜二)

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