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電子商取引からスタートし、中国を代表する一大企業となったアリババグループ(阿里巴巴集団)。設立20周年の節目となる2019年に会長職から退任することを表明している創業者のジャック・マー(馬雲)氏が、今年の株主総会開会直前に、株主に宛てた「最後の書簡」を公開した。
書簡では、退任後の盤石な体制をすでに築き、企業文化を継承させていくことへの誇りや、後継者たちへの信頼を述べている。また、会長職退任後はかねてより心を寄せていた教育や環境保護に取り組む意思を表明したほか、生涯にわたってアリババを支援していく姿勢も見せた。
中でも大きくアピールしたのは、「この世界に難しい商売などない」というモットーだ。以下に一部を抜粋する。
「この先20年間にわたり、我々は全世界で20億人の消費者にサービスを提供し、1000万社の中小企業に利益をもたらし、1億人の就業機会を創出していく。創業20周年となる2019年には流通総額1兆ドル(約110兆円)を達成するだろう。この数字は、6年前に描いていたものだ。その実現まで、あとわずかの場所に我々は立っている。
世界経済が苦境に陥っている現在、貿易、株価、製造業など、多方面で不安は尽きない。米中貿易摩擦も市場にさらなる混乱をもたらしている。アリババの19年間の歴史において、世界規模の逆境は初めての経験ではない。しかし、挫折や焦り、摩擦の背後には巨大な勝機が潜んでいるということを、我々は逆境のたびに学んできた。問題は苦境にあるのではない。『自分自身をどう変えるか』にあるのだ。歴史的な挑戦無くして、歴史的チャンスは掴めない。
アリババは、逆境への対処法をよく理解している。今のような時こそ、『世界に難しい商売などない』と示す時なのだ」。
アリババはビッグデータ、クラウドコンピューティング、人工知能(AI)、IoTなどの技術を通して、各産業に改革の礎を築いてきた。小売業にはすでに大きな業界構造の変革をもたらし、「ニューリテール(新小売)」として広く知られるようになった。次に着手するのは製造業だろう。
書簡の最後、マー会長は以下のように締めくくった。
「アリババは目に見える機会にとらわれず、常に未来を見据えて進んできた。眼前にある一時的な苦境も、我々の力を削ぐことはできない。イノベーションをもって課題を解決し、真の価値を生み出すことによって、市場も利益も失うことはないと堅く信じている」。
(翻訳・愛玉)
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