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TikTokを運営するバイトダンス(字節跳動)の今年上半期の広告収入が1150億元(約2兆700億円)だったことが23日、36Krの取材でわかった。2桁成長を達成し、目標の1200億元(約2兆1700億円)にも迫ったが、今年第3四半期に入って同社の広告収入の伸びは明らかに減速したという。
同社の広告収入をめぐる状況についてはさまざまな意見が飛び交っている。中国の金融専門紙・証券時報など複数のメディアは、バイトダンスの製品収益化部門が今月18日に開いた全体会議で、同社の中国国内での広告収入が過去半年にわたって成長を止めていることが明かされたと報じた。いっぽう中国経済メディア・第一財経は、同社の今年の広告収入が少なくとも20%以上の成長を維持すると報じている。さらに、米テック系ニュースメディアThe Informationは、バイトダンスの今年の売上高が60%伸びると予想する。
これらについて36Krはバイトダンスに取材したが、23日時点では回答は得られなかった。
EC、ゲーム、オンライン教育など、バイトダンスの大口広告主となっている業種から、同社の広告収入の変化を分析してみよう。
今年、ゲーム業界や教育業界には目に見えて政府の規制が及んだ。もともと第3四半期は教育業界にとってピーク期に当たるが、今年は業績が急激に悪化している。業界全体の状況を見渡しても、今年第3四半期はコロナ禍からの回復による影響、特定の業界をめぐる規制環境、社会全体で小売り消費が低迷したことなどにより、中国のインターネット企業の広告収入の伸びが減速した。各社の決算報告によると、今年第3四半期のインターネット広告による収入はテンセントが前年同期比5%増、バイドゥが同6%増にとどまっている。
36Krの取材によれば、現在はEC業界がゲーム業界に替わってバイトダンス最大の広告収入源になり、今年上半期の広告収入の30%以上を占めている。
バイトダンスが昨年に独自のEC事業を立ち上げてから、同社のEC広告に出稿する企業は主にタオバオ(淘宝)のような大手プラットフォーム、外部サイトに表示されるディスプレイ広告を利用する出店業者、中国版TikTok「抖音(Douyin)」のライブ配信ルームに表示される広告を利用する出店業者の3種類に分けられる。36Krの調べでは、アリババ、京東(JD.com)、拼多多(Pinduoduo)などの中国大手ECプラットフォームは今年上半期、バイトダンスへの広告出稿に190億〜200億元(約3400億〜3600億円)を費やした。アリババ1社だけでもバイトダンスへ年間180億元(約3200億円)以上の出稿料を支払っている。また、抖音のライブ配信ルームからの広告収入が急速に伸びており、今後はECプラットフォームからの広告収入、およびゲーム業界からの広告収入を上回ることが予想される。
短編動画プラットフォーム抖音のEC事業部門「抖音電商(Douyin Dianshang)」が今年になって急成長したことで、ゲーム業界からの広告収入の伸びが停滞し、オンライン教育業界からの広告収入が急減しても、バイトダンス社全体の今年第3四半期の広告収入は、前年同期からの伸び率が他のインターネット企業よりも大きい。
しかし、ある関係者は36Krの取材に対し「EC事業の牽引力を除外すると、バイトダンスの今年の広告収入は前年からほぼ横ばいになる」と述べた。
各方面からの情報をまとめると、バイトダンスの広告収入は下半期の単月成長が前月比ゼロ成長に近づくほど鈍っており、設立9年以来初めての状況に陥っている。
公式発表では、バイトダンスの2020年の売上高は前年比111%増の2366億元(約4兆2700億円)。今年の目標売上高は2500億〜2600億元(約4兆5100億〜4兆7000億円)だというが、昨年より厳しい挑戦となりそうだ。
(翻訳・愛玉)
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