2021年、最も話題になった中国の経営者10人

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2021年、最も話題になった中国の経営者10人

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2021年が間もなく終わろうとしている。激流の中国経済において、ある者は流れに乗り、またある者は高波に巻き込まれた。今年の経済界で話題になった10人とその言葉を紹介し、1年を振り返りたい。

1、ファーウェイ:孟晩舟副会長

中国の通信機器大手ファーウェイの孟晩舟副会長兼CFO(最高財務責任者)は2018年末、金融機関に虚偽の説明をしたなどの疑いでカナダで拘束され、2021年9月に釈放されるまで1028日間の軟禁生活を送った。ファーウェイにとって最も苦しい時間であり、孟氏の父親であるファーウェイCEOの任正非氏にとっても最も辛い時間だっただろう。スマートフォン事業ではサブブランドの「Honor(榮耀)」を独立させて生き残りを図り、独自のOS「Harmony OS(鴻蒙OS)」を開発して方向転換を図っている。

孟晚舟氏

「母として、妻として、そして経営陣として、天地がひっくり返るような変化を味わった。しかし、闇の中には常に光もあるとわたしは信じる。この経験はわたしの人生の中で尊いものだ」——孟晚舟

「強大な祖国に感謝」ファーウェイ孟副会長、3年ぶり帰国

2、恒大集団(Evergrande Group):許家印会長

時代の災難は今年、不動産業界の巨人・許家印氏に降りかかった。住宅価格の下落と政府の政策転換で、多額の借入金によって際限なく事業を拡大してきた従来のモデルが行き詰まった。深圳の本社ビル前に債権の返還を求める投資家らが押しかけるに至って、許家印会長も風向きが変わったこと、適切なタイミングで引き返すべきだったことにようやく気づいたのかもしれない。

許家印氏

「我が社は未曽有の巨大な危機に瀕している。従業員全員が、これまでにない厳しい挑戦を強いられている」——許家印

「史上最速で転落」した不動産王・万達を教訓にできなかった恒大【債務危機の深層(下)】

3、海底撈火鍋(カイテイロウヒナベ):張勇会長

コロナ禍で最も深刻な影響を受けたのは外食産業だろう。店舗数が多い企業ほど経営負荷は大きくなる。人気火鍋チェーン海底撈の苦境はまさにそこにあった。逆張りして出店を進めたのは確かに失策だったが、張勇会長のようにこれを素直に反省できる勇気は稀であり、尊い。「安定すれば攻めに入り、不安定になれば守りに入る」との彼の言葉は、この危機にあって最も説得力があり、臨機応変で力強い経営者の姿勢を現しているのではないだろうか。

張勇氏

「この苦しみは自らが1つ1つ消化していくしかない」——海底撈のリリースより

中国火鍋チェーン大手「海底撈」、年内に約300店閉鎖へ 株価も暴落

4、新東方教育(New Oriental Education):俞敏洪会長

中国政府が小中学生の負担を減らすために宿題や学習塾を制限する「双减」政策をスタートし、教育業界は一夜にして冬の時代に入った。教育サービス大手の新東方教育は最も収益力のある学習塾事業の撤退に追い込まれ、株価は9割近く下落した。俞敏洪会長はその状況に立ち向かうかのように、ライブコマースを始めた。塾講師たちとともに農産物を販売し、さらに塾で使用していた数万セットもの机や椅子を農村部の学校に寄付したのだ。俞会長は今年の60歳の誕生日に「月日は無情に過ぎるが生命には志がある」との言葉を発した。塾全盛期が過ぎ去っても、彼の功績は長く刻まれるだろう。

俞敏洪氏

「すべての事業が失敗しても大したことはない。新東方教育が無一文になったら、みんなで酒を飲んで解散すればいい」——俞敏洪

中国で塾展開できない教育大手「新東方」、米国で中国語オンライン教育を開始

5、バイトダンス(字節跳動):張一鳴前CEO

TikTokを生んだバイトダンスの創業者・張一鳴氏はCEOを退任し、取締役会からも去った。1983年生まれの張氏はバイトダンスを創業して9年目、マネジメントの権限を共同創業者の梁汝波氏に譲った。これまで彼が築き上げてきたバイトダンスは現在、中国で評価額が最も高い未上場企業であり、過去10年間にわたるモバイルインターネット時代において奇跡の成長を成し遂げた最後の企業だ。張氏の経営手腕はバイトダンスをポストアリババの地位に押し上げ、多くの人がこぞって研究する大企業のお手本的存在になっている。

張一鳴氏

「次の10年で、会社にもっと多くの可能性を創出していきたい」——張一鳴氏

TikTokで資産4兆円、30代で引退の理由は「経営者に向いてない」。バイトダンスCEO、後任は大学の同級生

6、シャオミ(Xiaomi):雷軍CEO

2021年に自動車製造業界に進出するのは遅すぎるが、シャオミを率いる雷軍氏に限っては例外といえる。入社16年で金山軟件(キングソフト)を上場させ、創業10年でシャオミを世界3位のスマートフォンメーカーに成長させたIT業界で誰もが認める仕事人は現在、人生を賭けた自動車製造事業に全力を注ぐ。「昼間はやる理由を100考えつくけれど、夜になるとやめたい理由が100思い浮かぶ」と本人が語る通り、これは苦しい決意だ。「成功にうつつを抜かすことなく、未知のものと向き合う」という彼の起業家としての品格が、多くの人をひきつけ続ける。

雷軍氏

「自動車製造はわたしの人生で最後の重要な起業プロジェクトだ。これまでの業績や名声を犠牲にしてもシャオミの自動車事業に挑みたい」——雷軍

シャオミ、年俸1億円で自動運転の人材探し。EV製造発表4カ月の現在地

7、CATL(寧徳時代新能源):曽毓群会長

2018年の上場からわずか3年で、車載バッテリー製造世界最大手CATLの株価は30元(約540円)から700元(約1万2500円)にまで上昇した。米テスラとの提携が起爆剤となり、中国福建省からスタートした無名のバッテリーメーカーは、事業も名声もピークに向かっている。「必死になってこそ勝てる」は福建人の気質として知られるが、CATLの創業者・曾毓群氏は「賭けに出ることでさらに強くなれる」と信じていた。高ポジションも高収入も捨て、自動車駆動バッテリーの基礎知識もなく業界に挑んでいった、その大胆な賭けが今日の彼をつくった。

曽毓群氏

「ただ必死になるだけでは足りない。それは肉体労働だ。賭けに挑んでこそ頭脳が鍛えられる」——曽毓群

EV企業の“黒幕”、パナソニック抜き車載電池世界首位に:CATL10年史(上)

8、インテル・チャイナ:王鋭会長

2021年、世界で半導体が不足し、大企業はチップ確保に追われている。中国の成都市にあるインテルの工場は、同社にとってパッケージングやウェハー前処理の試験を行う世界最大の拠点の一つだ。同社のシリコンウェハー半製品の7割以上がここで製造されている。半導体危機のさなかでインテル・チャイナの会長に就任した王鋭氏は、中国のスタッフがコロナ禍を乗り越え、生産を維持するために、グローバル企業の中にあって中国人ならではの高いリーダーシップを発揮した。

王鋭氏

「我々は製造プロセスの精度をナノレベルにしていく。設計でナノ単位にこだわることがデジタル世界の無限の可能性を切り開く」——王鋭

インテル中国、初の女性総裁就任 世界一の半導体市場に期待

9、元気森林(Genki Forest):唐彬森CEO

2021年のベンチャー業界で飛ぶ鳥落とす勢いのスターといえば、健康志向の無糖飲料ブランド元気森林の創業者・唐彬は外せない。中国では2019年からコンシューマーブランドへの投資が一大ブームとなっているが、最も成長著しく、最もスケールが大きく、評価額も最高となった中国ブランドが元気森林だ。 唐氏は「中国が何かを成し遂げる」と信じ、「巨大企業に挑戦する」ことを諦めなかった。 インターネット業界での10年の下積みからのし上り、前半戦を勝利で終えたが、真に過酷な勝負はまだ始まったばかりなのかもしれない。

唐彬森氏

「中国は何か意義あることを成し遂げる。巨大企業に挑戦し、優れたプロダクトに投資して、若者の力を信じたい」——唐彬森

中国無糖飲料「元気森林」が新たに220億円を調達 評価額1兆7000億円へ

10、SHEIN:許仰天CEO

コロナ禍によって、多くの店舗を抱える世界大手のアパレル企業はいずれも大きく業績を下げた。一方、女性向けファストファッションのオンライン通販を手がける「SHEIN」は勢いに乗って急成長。年間売上高は100億ドル(約1兆1400億円)を超え、2021年第2四半期にはショッピング系アプリとして米国でダウンロード数最多となり、アマゾンを超えた。徐氏は米国の女性消費者の洞察からSHEINを立ち上げ、レッドオーシャンに奇襲をかけたのだ。

SHEIN公式サイト

「中国は生産・製造分野で優位性があり、ひとたびブランド化に成功できたらダイレクトに世界中へ販売できる」——SHEINに出資するIDGキャピタルのパートナーアライアンス

ZARAを脅かす中国発ファストファッション「SHEIN」 米国の若者から圧倒的支持を集めるワケ(一)

(翻訳・愛玉)

関連特集:苦難、そして転換。漢字2文字で振り返る2021年の中国経済

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