ミニプログラムで群雄割拠の中国モバイルインターネット業界

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インターネット大手、携帯電話企業が続々参入

中国のモバイルインターネット業界は分裂とも言える状況にある。初めの頃は米アップルのiOS、米グーグルのAndroid、HTML5が3大プラットフォームだったが、BAT(百度(バイドゥ)・阿里巴巴(アリババ)・騰訊(テンセント))、ニュースアプリの「今日頭条(Toutiao)」、携帯電話メーカーの5大陣営が加わった。いまや、微信(WeChat)やQQブラウザ、支付宝(アリペイ)といった、アプリ内に独自のプラットフォームを備えるスーパーアプリは10を数える。また、華為科技(ファーウェイ)や小米科技(シャオミ)など携帯電話メーカー10社は「クイックアプリ(快応用)」というプラットフォームでアライアンスを組んでいる。

これらのプラットフォームを全てカバーしようとすると、1つのビジネスを展開するために8つのバージョンを制作しなければならないことになる。中国政府工業和信息化部(工業情報化部)のHTML5中国産業連盟さえも、3年前に統一仕様を打ち出したが、結局各社の足並みを揃えられなかった。
We Chatの「ミニプログラム(編注:We Chatのアプリ内に実装される、インストールが不要なアプリのプログラム)」はプラットフォームの主流になるまでに成長したが、他社もそれぞれのミニプログラムを粘り強く展開し続けている。
■アリペイは、35に及ぶ機能を開放し、専門のミニプログラム事業部を設置した。
■バイドゥは、月間アクティブユーザーが1億5,000万に達したと発表。アライアンス構築へさらなるパートナーを探している。
■頭条は現在脚光を浴びており、開発者も勢いに乗っている。
■携帯電話メーカーは、ネイティブアプリストアのようなミニプログラムストアを作って市場を取り込む計画。
このように、将来巨大市場となるミニプログラムでは、大手各社が激しい競争を繰り広げているのだ。

ネイティブアプリやHTML5と比較したミニプログラムの特性

ミニプログラムとクイックアプリは動的Appと呼ばれる。ネイティブアプリとHTML5の中間という位置づけである。

ダウンロードとインストールが必要なネイティブアプリに対して、動的Appはダウンロードは不要、クリックすれば即使用できる。

現在、ネイティブアプリのアクティベーションレートは50%に満たない。開発者がダウンロード1回に5人民元(約80円)を支払うと仮定すれば、実際のコストは10元(約160円)かかっている計算になる。

一方、動的Appのアクティベーションレートは95%以上と、ユーザーアクティベーションにかかるコストを低下させている。さらに、動的Appは入口が多い(SNSや検索、各種コンテンツなどから新たなユーザーを獲得しやすい)ので、新規ユーザー獲得コストも低い。

新時代の創業の道

現在、多くのスタートアップ企業はWe Chatミニプログラム一択の戦略をとっている。これはプラットフォームごとに異なるバージョンを開発する必要があるからだ。しかし、1度の開発でマルチプラットフォームをカバーできるようになった場合、開発者は如何にユーザーにリーチするか、またWe Chat一択のスタートアップ戦略は正しいのか、考える必要が出てくる。

今後、異なるプラットフォームを横断して研究開発することが可能になれば、創業者の資金とエネルギーはアプリの運営により多く注がれることになる。つまり、新時代の戦略は、全プラットフォームから新ユーザーを獲得して長く留めておくことと、研究開発よりも運営に力点を置くこと、になっていくだろう。
(翻訳・林森)

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