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先月29日(現地時間)、アップルのティム・クックCEOは、2019年第1四半期決算発表の席でiPhoneの価格を見直す方針を発表した。ロイター通信が同日付で伝えた。
同社が2018年に発表した最新モデルは旧機種とほぼ同価格だが、通貨が対米ドルで大幅に下落した中国やトルコなどの一部市場では現地価格が大幅に値上がりした。これを受けてクックCEOは「各ローカル市場の状況を踏まえて、前年と釣り合いのとれた価格に調整したい」と語った。一部市場での値下げに踏み切り、販売台数の成長につなげたい考えだ。
年末商戦を含む10~12月期において、同社の売上高が減少に転じたのは2001年以来初めて。中でもiPhoneの売上高が大きく減少し、前年同期の611億ドル(約6兆6500億円)から15%減となる519億8000万ドル(約5兆6600億円)と、100億ドル近く減少。特に中国市場の不振が顕著で、前年同期の179億5600万ドル(約1兆9500億円)から26.7%減となる131億6900万ドル(約1兆4300億円)と、大きな落ち込みとなった。
先月4日、アップルは2019年第1四半期の売上高予測を下方修正した。中国市場でのiPhoneの売上高減少を理由としており、過去20年来で初の下方修正となった。
とくに中国市場の状況は楽観視できない。ファーウェイ、シャオミ(小米科技)、OPPO、vivoという地場の四大メーカーが幅を利かせており、27.8%のシェアを占めるファーウェイに対し、アップルは10.1%と苦戦している。加えて、景気減速の影響もアップルの苦境に拍車をかけた。
例年、アップルは競合製品を凌駕する優れた製品を発表し続けることで、強気の価格設定にも説得力を持たせてきた。近年はイノベーション力にも陰りが見え始めた点は否定できないが、今回の値下げ策が同社にとって吉と出るかは未知数だ。
(翻訳・愛玉)
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