ゴミと再生資源の超高速分別ロボット 数十種類を1時間で最大200トン処理

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ゴミと再生資源を分別するロボットの開発とその多岐にわたる応用に取り組む「快手哥智能科技(SMARTSORT)」が、プレシリーズAで億尚景基金から数千万元(数億円)を調達した。

快手哥智能科技は2019年に設立され、高度なセンシング技術、AIの超高速認識技術、超高速分別技術を活用し、さまざまなタイプのゴミ分別ロボットを開発している。中心メンバーは浙江大学、上海交通大学、清華大学など中国トップクラスの大学出身だ。

同社の強幸興CEOによると、循環経済(サーキュラーエコノミー)が世界各国でますます注目され、「双炭(ダブルカーボン:カーボンピークアウトからカーボンニュートラルまでを目指す中国の政策)」やESG(環境・社会・企業統治)が重視されるなか、循環経済にはこれまでにない成長機会が到来しているという。中国では循環経済のシステム構築が始まって間もないため、ゴミや再生資源の分別は十分には実施されておらず、効果的な活用も進んでいない。ゴミから再生資源をどのように正確により分け、価値ある利用を実現していくかが大きな課題となっている。快手哥智能科技はその基盤となる分別技術とオペレーションシステム(OS)を世界に向けて提供し、技術的優位を確立した。

中国のゴミ処理現場では多くの種類が混在するゴミを分別する必要があるため、快手哥智能科技は、顧客自身がゴミ処理の分量と分別する種類のバランスを調整できる特許技術「DUAL-SORTING」を開発した。ゴミの種類の複雑さを考慮して開発した特許技術が「SUPERSENSE」で、可視光・XRT(X線トポグラフィ)・XRF(蛍光X線分析法)・近赤外線分光法・遠赤外線分光法・リニア磁気センサーアレイなど高度なセンシング技術を同時利用、あるいは組み合わせることで総合的な識別と意思決定を実現する。もう一つの特許技術「FLYSENSE」は、センサーがわずか数ミリ秒でゴミの識別を完了し、AIが超高速で分析・推理・分別と三つのプロセスを処理する。不衛生なゴミ処理現場でも安定して作業ができるという。

同社はさらに、ゴミと再生資源の分別ロボットに特化した世界初のOS「RecycleOS」を開発した。多岐にわたるAI認識やトレーニングプラットフォーム、高速分別機能、高度センシング技術、認識アルゴリズムを集約しており、建設廃棄物、生活ゴミ、産業廃棄物、廃車、再生プラスチック、再生金属、建築物の骨材、電子廃棄物などに幅広く活用できる。汎用性の高いコア技術を集めたプラットフォームだ。RecycleOSが持つ強力なプラットフォーム化能力によって、快手哥智能科技は数十種類のゴミと再生資源に全面対応するロボットという、現段階では世界でわずか数社しか提供できない製品を実現した。

同社のロボットは1時間に数百万回の分別を行い、最大で200トンのゴミを処理する。中国国内の需要は満たせる処理効率だ。すでに欧米の数カ国に製品を輸出しており、欧州・北米・豪州・東南アジア市場への進出も実現している。中国国内では政府、中央企業(政府直轄の国有企業)、大手企業と提携して中国の実情に合ったソリューションを打ち出している。
(翻訳・山下にか)

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