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3月7日に36Krが入手した情報によると、配車サービスの「易到(Yongche)」が25億5000万元(約424億円)の資金調達を計画しているとのことで、出資者はほぼ固まっているとみられる。
入手した文書によれば、易到の現在の支配株主は「韜蘊資本(Taoyun Capital)」だが、出資者が行う増資によって、易到は新たな資金を調達するつもりのようだ。内訳は、出資者による現金15億元(約250億円)と、「共同投資グループ」の新株発行による10億5000万元(約174億円)とのこと。
1月21日、韜薀資本グループの創業者でCEOの温暁東氏は、易到の株式を半額で譲渡したいとの考えを表明した。公表された易到の貸借対照表によると、2018年12月時点で負債総額は34億4400万元(約571億円)、ユーザーのチャージ分残高が5億9200万元(約98億円)、純資産が▲21億2500万元(約352億円)だった。
2月19日に韜薀資本は、易到を救済するために投じた巨額の資金を取り戻せず、運営を続けることが困難になったという内部通達を行った。これにより、従業員の一部は在宅業務となり、基本的な生活保障がされるのみとなった。
これ以前に、易到と韜薀資本が懸命に資金調達を試みており、「身売り」もいとわない、と複数の情報筋が伝えていた。今回、明らかになった文書からすると、易到はすでに出資者を見つけたことになる。
これまで、アリババやライドシェア「滴滴(Didi Chuxing)」、オンライン旅行会社「携程(Ctrip)」、物流企業「順豊(SF Express)」などが易到を買収する意向を示したものの、評価額の問題や配車サービスとしては所有車が少ないなどの理由で、どれも合意には至らなかったという。さらに韜薀資本の態度も二転三転しているといい、「資金調達が難しい時期には売却したがるが、易到のキャッシュフローを当てにしてもいる。これにより易到の結末が予測できないものになった」と情報筋は語る。
36Krが得た情報によると、韜薀資本は昨年から易到の買収について「恒大地産(Evergrande)」と交渉を重ねていたとのことだ。韜薀資本は恒大による買収を望んでおり、恒大も強い関心を示していたため、合意は目前だったという。しかし旧正月があけた頃、この件は延期されることになった。
ただ恒大に近い人物は、「そのような事実はない」と語る。
企業情報検索サイト「天眼査」によれば、易到の運営会社「北京東方車雲信息技術有限公司(Beijing Oriental Cheyun Information Technology)」の株式のうち、韜薀資本代表の王菲氏が保有する易到の株式が61.82%を占めるという。
(翻訳・畠中裕子)
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