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北京市中心部から東に30キロメートルの所にある河北省三河市燕郊では、旧正月(春節)明けから住宅価格が上昇に転じた。
京秦高速道路を降り、燕順路を左折して800メートルほど行くと、3階建ての不動産販売センターがある。ここは燕郊の春の訪れを真っ先に感じられるところかもしれない。
このセンターは1階が内見スペース、2階が契約スペース、3階が事務所となっており、週末は大勢の人々が詰めかけ、座る場所もないほどだという。北京地下鉄平谷線(22号線)や北京市通州区と燕郊をつなぐ潮白河大橋の開通予定がプラス要因となって、首都圏で住宅を購入する人々の注目が再び集まったのだ。他所の業者は「旧正月明けにこれほど多くの人が来るとは思わなかった」と羨望を隠さなかった。
この販売センターで取り扱う物件「首爾甜城(Seoul Sweet City)」では、30~40平方メートルのロフトタイプが1平方メートル当たり2万1000元(約33万6000円)~2万3000元(約36万8000円)、80~130平方メートルのフラットタイプが1平方メートル当たり1万7000元(約27万2000円)~1万9000元(約30万4000円)で販売されている。
同物件が「頭金の分割払い」制度を導入していることも人気の理由だ。42平方メートルのロフトタイプの場合、頭金17万元(約272万円)を払うだけで手に入れられる。
総額170万元(約2720万円)のうち、50%を借り入れ、10%を頭金で支払い、残りは半年ごとに17万円(約272万円)支払えばよいという。しかも利子もつかない。
燕郊では他の物件も活況を呈している。「嘉都公館(Jiadu)」は1平方メートル当たり1万3000元(約20万8000円)から、「紫竹湾商業広場(Zizhuwan)」は1万7000元(約27万2000円)からで、ともに頭金の分割払いを利用できる。
中古住宅市場の見通しも改善し始めた。不動産情報サイト「貝殻找房(ke.com)」によると、燕郊の中古住宅平均価格は昨年11月から上昇に転じ始め、2019年1月には1平方メートル当たり2万元(約32万円)を突破し、2月はさらに上昇したという。
2009年竣工の「燕京航城(Yanjing Hangcheng)」を例に挙げると、134.33平方メートル、3DKタイプは昨年10月時点で230万元(約3680万円)、1平方メートル当たり1万6000元(約25万6000円)だった。
そして同じ街区、同じ物件タイプの価格が市場回復を受けて上昇している。「燕京航城」で新たに売り出された135平方メートル前後、3DKタイプの物件の平均価格は1平方メートル当たり2万1000元(約33万6000円)に達し、350万元(約5600万円)の高値をつけた物件もある。
それでも売主が期待する水準にはまだ達していない。とりあえず売りに出し、価格を後ほど見直すことにするという売主もいる。貝殻找房がまとめた需給データでも、好況ぶりが際立つ。
2018年2月、燕郊の新規物件は月間771戸、内見数は延べ4855回だった。だが、2019年2月27日の新規物件は1日で118戸、内見数も304回にのぼり、それぞれ前年同期比4.8倍、1.9倍だった。
燕郊で有名な不動産仲介業者の密集地を歩くと、春の訪れを実感できる。昨年は街頭でのチラシ配りを余儀なくされていたセールスマンがオフィスに舞い戻り、販売センターには求人が貼り出されている。高値で売り出した売主は買値と同等の価格で売却できる可能性を、投資家はビジネスチャンスを、地方出身の北京在住者は家を買う夢を見ている。
(翻訳・池田晃子)
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