商品の自動識別技術開発に注力 中国のAmazon Goを目指す「逗号智能」

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商品の自動識別技術開発に力を入れる「逗号智能(Commasmart)」の創業者兼CEOである馮新宇氏は、Amazon Goのように消費者が商品を手に取って会計なしでそのまま出ていけるレジなし店舗がより低コストで運営できるようになるまでの過渡期において、購入者の顔と商品を自動的に識別してレジカウンターで会計するという方法がスマート決済の主流となるだろうと語った。逗号智能は自動識別技術対応のカメラとICチップの開発を続け、中国のAmazon Goを目指している。

逗号智能 が現在提供しているスマートレジカウンターには顔と商品の2種類の自動識別技術が使われている。顔認証技術は比較的成熟しており、公安部の情報と照合する必要があるため、逗号智能がWechatと提携して店舗に提供している顔認証決済レジカウンターは、現在のところWechat決済のみ対応している。

顔認証決済設備のメーカーである逗号智能にとっての最大のハードルは商品の自動識別技術の実用化である。現在商品数1000SKU以下の店舗では、商品自動識別機器のコストはおよそ一万元(約16万円)以下であり、アルゴリズムとハードウェアなどのカスタマイズ作業にかかる時間は約3日である。逗号智能は引き続き技術開発を行い、2019年末には2000SKUの正確な識別を実現できると自信を持っている。そうすればスーパーや小売店などで商品の自動識別技術の実用化が可能となる。

馮新宇氏は、逗号智能の商品識別技術が使用している原理はディープラーニングと同じもので、機械に人間の目と同じ識別能力を持たせることができると説明している。

そのため、将来、商品の自動識別決済は、特徴が見分けにくい商品(例えば、ファストフード店の似たような調理済み食品や生鮮野菜・果物等)や店舗が別途処理をしなければならない状況を除き(人の目でも識別できないような場合、機械にとっても当然同様に困難となる)、広く利用され、バーコードに替わる決済の主流となると、逗号智能は確信している。

商品自動識別の技術に必要な要素において、アルゴリズムが占めるのはそのうちの5分の1のみで、残りの5分の4は、異なる状況の下での照明の色合いと陰影の修正を含むICチップやレンズ、機器の設計である。また、逗号智能のスマート商品識別機器は1度に複数の商品がレジカウンターに置かれても対応できる。また、商品重量の識別・学習機能は商品の数量を判断するためのサポートツールとしても大変重要だと馮新宇氏は述べている。

将来、ICチップとレンズの研究開発こそ核心的な障壁となると判断し、逗号智能はこの分野の技術研究をすでに始めている。技術の成熟に伴って、商品自動識別技術は倉庫物流等の分野にも多くの可能性を秘めている。
(翻訳・桃紅柳緑)

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