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テンセント傘下で音楽配信を手がける「テンセント・ミュージック・エンターテインメント(TME)」が、2018年第4四半期(10~12月)及び通期の決算(未監査)を発表した。昨年12月の米国上場以来、初の決算報告となる。
2018年通期の売上高は前年比72.9%増の189億9000万元(約3100億円)。非IFRSベースの株主に帰属する純利益は、前年比118.5%増の41億8000万元(約700億円)だった。
2018年第4四半期の売上高は前年同期比50.5%増の54億元(約900億円)で、市場予想の52億7800万元(約870億円)を上回った。株主に帰属する損益は前年同期の5億3600万元(約90億円)の黒字から、8億7600万元(約145億円)の赤字に転じた。決算書によると、赤字に転じた原因は、ワーナーミュージックおよびソニーミュージックへの株式譲渡に伴う15億2000万元(約250億円)の評価損を計上したため。非IFRSベースの株主に帰属する純利益は、前年比37.3%増の9億1600万元(約150億円)だった。
決算発表後、同社の時価総額は304億ドル(約3兆3700億円)となった。
オンライン音楽サービス事業の収益源は、サブスクリプション(定額課金)サービス、第三者配信プラットフォームとデジタルアルバムの3つ。
同事業の2018年第4四半期の売上高は、前年同期比45%増の15億2000万元(約250億円)で、サブスクリプションサービスによる課金収入が6億9500万元(約120億円)を占めた。モバイル利用の月間アクティブユーザー(MAU)は前年同期比6.8%増の6億4400万人で、有料会員は同39.2%増の2700万人だった。有料会員1人当たりの利用月額は平均8.6元(約140円)で、同1.1%減となった。
ソーシャル・エンターテイメント事業の売上高は、前年同期比52.8%増の38億8000万元(約640億円)で、売上高全体の71.85%を占めた。同事業の好業績をけん引したのは、オンラインカラオケサービスとライブ配信サービスだ。モバイル利用のMAUは前年同期比9.1%増の2億2800万人で、有料会員は同22.9%増の1020万人だった。有料会員1人当たりの利用月額は平均126.7元(約2100円)で、同24.3%増となった。オンラインカラオケサービスやライブ配信サービスで利用できるバーチャルギフトの収益も増加の一途をたどっている。
間断なく成長する売上の裏で、支出も増加している。2018年第4四半期の支出は前年同期比62.5%増の35億6000万元(約600億円)だった。オリジナルコンテンツへの投資増によるものだ。
2018年末時点で同社が所有する現金および現金同等物は173億6000万元(約2900億円)で、前年同期の51億7000万元(約860億円)から大幅に伸びた。
CEOの彭迦信氏は決算報告書で、「2019年は引き続き優良コンテンツ、プロダクト・イノベーション、先進技術への投資を拡大していく」と述べている。前年に得た営業キャッシュフローを元手に、国内外の大手レーベルとの提携を強め、コンテンツ拡充を進めていくという。CFOの胡敏氏は、「これらの投資が将来的にマネタイズや競争力強化につながっていく」と補足している。
(翻訳・愛玉)
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