3年で赤字960億円、中国新興EV「零跑汽車(Leap Motor)」が香港上場へ

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中国の新興EVメーカー「浙江零跑科技(Leap Motor)」(以下、零跑汽車)が香港証券取引所のヒアリング審査を通過した。順調にいけば、新興自動車メーカーの御三家である「蔚来汽車(NIO)」、「小鵬汽車(XPeng Motors)」、「理想汽車(Li Auto)」に次ぐ4番目の上場会社になるだろう。

企業情報サイト「天眼査(Tianyancha)」によると、零跑汽車はこれまでに「セコイア・キャピタル・チャイナ(紅杉資本中国基金)」、「上海電気(Shanghai Electric)」、中国鉄道車両大手の中国中車(CRRC)などの大手投資機関から累計7回資金調達している。概算によると、調達額は120億元(約2400億円)を超える。

3年で赤字960億円

自動車業界は資本集約型産業だ。自動車メーカーは研究開発、製造、販売などに大量の資金を投じなければならないため、新興企業は通常巨額の赤字を抱える。すでに上場している蔚来汽車、小鵬汽車、理想汽車が赤字を抱えながら自動車を販売しているように、零跑汽車も利益確保という難題に直面している。

ヒアリング後の資料によると、零跑汽車の2019年~21年の売上高はそれぞれ1億1700万元(約23億4000万円)、6億3100万元(約126億2000万円)、31億3200万元(約626億4000万円)で急成長を果たし、今年第1四半期の売上高は19億9200万元(約398億4000万円)だった。

しかし、一方で赤字も拡大している。2019年~21年はそれぞれ9億100万元(約180億円)、11億元(約220億円)、28億4600万元(約569億円)の赤字で、3年間の累計赤字は48億元(約960億円)を上回った。粗利益率はやや改善したが、依然マイナスだ。

年々拡大する赤字について、零跑汽車はスマートEVおよび部品の販売を開始してまだ初期の段階にあるため規模の経済を実現するには生産や納車を加速しなければならず、そのために販売コストが高くなっていると説明している。一方、開発費が売上高に占める割合は2019年~21年で減少が続き、3年間で累計14億元(約280億円)に満たない。蔚来汽車、小鵬汽車、理想汽車の開発費が、2021年だけでそれぞれ45億元(約900億円)、41億元(約820億円)、32億元(約640億円)を超えるのとは大きな開きがある。

低価格モデルで販売台数を増やす

零跑汽車は新興EVメーカーの中でも後発だが、納車台数は目を引く。2021年の年間納車台数は前年より443.5%伸びて4万3748台となり、今年上半期は累計5万1994台だった。米調査会社フロスト&サリバンのデータによると、納車台数で言えば零跑汽車は中国の大手新興EVメーカーのうちで最も成長スピードが速い。21年と22年上半期の販売台数では、零跑汽車は世界第5位、中国第4位の新興EVメーカーだった。

零跑汽車の今年8月の納車台数は前年同期比180%超の1万2525台となり、新興EVメーカーで2位につけた。零跑汽車の納車台数の急速な伸びは、同社の低価格戦略と関係がある。同社の平均販売価格は蔚来汽車、小鵬汽車、理想汽車を大きく下回る。零跑汽車は4モデルを展開し、補助を適用すると価格は7万9500元(約160万円)から18万元(約360万円)だ。

零跑汽車は今後車種を拡充し、新車製造を加速するという。ヒアリング後の資料によると、零跑汽車は今後毎年1~3車種を発売し、2025年末までに純電気自動車(BEV)で新たに7車種を発売する予定だ。

作者:WeChat公式アカウント「雷達Finance(ID:leizhuba)」孟帥

(翻訳・36Kr Japan編集部)

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