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動画ストリーミング大手「愛奇芸(iQIYI)」傘下でアニメ・漫画に特化したアプリ「愛奇芸動漫」が名称変更し、路線を一新した模様。新たなアプリ名は「叭噠」で、カテゴリーも「電子書籍」から「コミュニティ」に変わっている。
バージョン履歴を見ると、最終更新が3カ月前。つまり、ローンチから1年も経ずにリニューアルしたことになる。
もともとの愛奇芸動漫アプリは昨年2月にサービスイン。電子書籍版の漫画やライトノベル、アニメ関連動画、オタク向けライブ番組などのコンテンツを配信していた。
データ調査機関の「中商産業研究院(Ask CI Consulting)」が発表した「2018~2023年中国アニメ漫画業界の市場見通しおよび投資機会研究レポート」によると、2018年の中国アニメ漫画業界の市場規模は1518億1000万元(約2兆5000万円)で、前年比15.2%の伸び率となった。2019年には、1765億6000万元(約2兆9000万円)にまで成長する見通しだ。
愛奇芸CCO(最高コンテンツ責任者)の王暁暉氏も、若い世代の知的財産権保護に対する意識の高まりで、コンテンツにお金が流れ込むようになったと公の場で語っている。IP(知的財産)やクロスメディア等の概念が主流カルチャーの一部になっており、国内のアニメ漫画業界も繁栄期に入ったという。
アニメ・漫画産業が、今まさに中国の市場を切り開きつつある。愛奇芸にとっても絶好のチャンスである。インターネット事情について発信する個人メディアの「劉曠」氏によれば、2016年8月にサービスインした愛奇芸のアニメチャンネルは、累計ユーザー数が現時点で2億を超え、月間アクティブユーザー数(MAU)は5000万に達したという。
アニメ・動画コンテンツは多くのユーザーを惹きつけ、愛奇芸のコンテンツのエコシステムを形成するためにひと役買っている。そのうえ、映画やドラマ、ゲームなど別メディアでIPを開拓する手段の一つにもなっている。
ただし、愛奇芸が擁するアニメ・動画関連のコンテンツは、他社のアニメ・漫画系アプリと比べると若干見劣りする。同じくアニメ漫画プラットフォームの「波洞星球(boodo)」は、テンセント系の「騰訊動漫(TENCENT ANIMATION & COMICS)」と電子書籍プラットフォームの「閲文集団(CHINA LITERATURE)」の力を借りて、良質なコンテンツを調達している。動画共有サイト大手「ビリビリ動画(Bilibili)」は、そのコンテンツをオタク分野で進化させてきた。いち早くコアなユーザーを囲い込み、コミュニティ文化を確立することに成功している。
業界の競争にしっかり向き合うことで、愛奇芸も新たな可能性にチャレンジしている。このほど改名した叭噠は、ACG(アニメ、漫画、ゲーム)コンテンツの提供にとどまらず、コミュニティとしての機能も備えているという。
(翻訳:貴美華)
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