中国EVメーカー、次々と電池の自社生産へ 小鵬汽車も参入

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中国の電気自動車(EV)メーカー「NIO(蔚来汽車)」に続き、「小鵬汽車(Xpeng Motors)」も電池の自社開発に乗り出す。同社は半年以上前に、BMWで電池のシニアエンジニアを務めた仲亮氏を電池技術部門のシニアディレクターとして迎えている。仲氏は以前、韓国の電池メーカー「SKイノベーション」にも勤めていた。業界関係者が明らかにした。

中国EV大手NIO、バッテリー子会社「蔚来電池」設立 資本金約400億円

情報筋によると、小鵬汽車の電池開発チームは約100人で川上の原料サプライヤーと何度も接触している。NIO が自社開発した電池を2024年に搭載するとしているのに対し、小鵬汽車は約5年後を目標にしている。

自動車メーカーが電池を自社で開発・生産するのはもはや珍しいことではない。NIOの李斌CEOは電池事業で400人のチームを立ち上げ、24年に中価格帯ブランド「ALPS」の車に自社生産の電池を搭載する計画だと年初に発表した。

今年10月末にNIOは20億元(約390億円)を投じて電池会社を設立し、NIOの電池生産の責任者である曽澍湘氏が法定代表人に就任した。小鵬汽車もこのほど「広州鵬博汽車科技」を設立した。登録資本金は50億元(約1000億円)で、電池、電池部品およびモーターを製造する。小鵬汽車は取材に対し、当該企業は電池の内製化とは関係ないと回答している。

NIOや小鵬汽車のほか、広州汽車集団(GAC Motor)、長城汽車(Great Wall Motor)、吉利汽車(Geely Automobile)も電池の内製化を計画し、長城汽車から起業した「蜂巣能源(SVOLT Energy)」は間もなくIPOを実施する。広州汽車は今年8月、109億元(約2000億円)を投じて電池の生産ラインを建設すると発表した。

数十億や100億元(数百億~2000億円)もの資金計画は、自動車メーカーの電池開発に対する決意の強さを現している。しかし、立ち上げ初期の計画は控えめだ。NIOは来年末に安徽省合肥市に電池生産のパイロットライン1本を完成させ、毎月数百台の自動車に供給する予定だ。一方、小鵬汽車はしばらくは試作の規模になるという。

この一見「矛盾した」状況も容易に理解できる。電池はEVのコア部品で最もコストがかかるうえ、航続距離や安全などの性能に影響するため、自動車メーカーは自社の管理下に置いておきたい。一方で電池の生産には多額の費用がかかり、3ギガワット時(GWh)の生産ライン1本に約3億元(約58億円)の投資が必要だ。そこでNIOなど電池を自社開発する企業は、サイズ規格「4680」や「4690」などの円筒形電池を選んでいる。1本の生産ラインで角形電池の2倍以上を生産できるからだ。しかし電池は化学工業のさまざまな分野にまたがるため、研究開発の面でも投資の面でも軽視できない。

電池会社の内部データによると、自動車メーカーの年間販売台数が約30万台に達すれば電池の内製化が大規模な収益の獲得につながる。現状では各EVメーカーの年間納車台数は10万台クラスだが、新車の投入台数の増加に伴い生産能力が向上し、年間販売台数が30万台になるのも遠い将来ではない。

テスラ、フォルクスワーゲン、GM、フォードなど欧米の自動車メーカーも巨額の電池生産計画を立てている。

自動車メーカーの電池内製化は共通認識にはならないかもしれないが、自動車のコストの半分近くを占める電池に深く関わり、自社で管理することが将来の自動車メーカーの選択であることは間違いない。この点から言えば、自社生産するかどうかは方法の選択にすぎない。

中国自動車メーカー、自社でのバッテリー開発は夢にすぎないか

(翻訳・36Kr Japan編集部)

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