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データインテリジェントプラットフォームを運営する中国スタートアップ企業「Mind Flow(曼孚科技)」が、2022年7月にプレシリーズBで5000万元(約9億7000万円)を調達し、過去3年ほどで累計数億元(数十億〜百数十億円)を調達したと発表した。調達した資金は主に製品開発や自動運転用データのアノテーション(画像や音声などのデータに対し情報を注釈として付けること)市場開拓に充てるという。
Mind Flowが事業化をスタートしたのは2019年。データアノテーションおよびデータ収集のサービスを水運・空運業務の電子化、銀行・保険、自動運転などの分野で展開し、中国では比較的早期から自動運転用のデータアノテーションに注力している。
同社の自動運転用データアノテーションプラットフォーム「MindFlow SEED」は第3世代までバージョンアップされており、AIとRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の両輪駆動で自動運転車メーカーにサービスを提供している。具体的には画像(2Dボックス、回転2Dボックス、ポリライン、3Dボックス、オーバルなど)、音声(ASR)、テキスト(OCR)、3D点群(シングルフレーム、コンティニュアスフレーム、点群融合、点群セグメンテーション)など、さまざまなタイプのアノテーションのソリューションを揃える。実際の応用に関しては、クローズドループ試験、港湾エリア、高速道路、一般道路、駐車場などさまざまなシーンに対応している。
MindFlow SEEDのサービスが持つ強みはAI駆動型であるという点だ。第3世代MindFlow SEEDではプレアノテーション(事前アノテーション)支援ツールが18種類に拡充されており、AIスクリーニング支援サービスを自動運転車メーカーに提供する。AI駆動型の自動アノテーション機能や自動運転シナリオ向けに構築されたブーリアン演算、自動キーフレームなどの機能を用いて効率と精度を上げており、作業量もマンパワーも削減している。
さらに、RPAの技術も盛り込まれている。RPAはAIとオートメーション技術を基礎とするもので、あらかじめ収録されたスクリプトを基に既存のユーザーシステムとコミュニケーションを取り、業務プロセスの中で作業員が受け持っている部分を引き継いで全プロセスを自動化する。MindFlow SEEDに埋め込まれたRPAプログラムが作業プログラムを構築し、アノテーター(アノテーション担当者)との協力や指示、代行によってさまざまな反復作業を実行するのだ。また、RPAはプレアノテーションモデルなどさまざまなAIの機能を呼び出せる。AIと連携することでアノテーターの作業ログを読み取ったり作業内容を分析したりして、アノテーターが担ってきた作業の中から反復性のあるものを抜き出し、RPAに作業を代替させることができる。さらに、MindFlow SEED はアノテーションとトレーニングも並行できる。自動機械学習(AutoML)や自社で持つデータセットを基にデータアノテーションモデルを構築し、独力でのアルゴリズム更新も可能にしている。
同社の主要顧客はアリババやバイトダンス(字節跳動)、バイドゥ(百度)、iFLYTEK(科大訊飛)、Megvii(曠視科技)など。自動運転、スマートセキュリティ、顔認識など業種は幅広い。昨年の売上高は4倍成長を達成し、中国の自動運転用データアノテーション市場ではシェア上位3社に入った。
(翻訳・山下にか)
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