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中国車載電池大手の寧徳時代新能源科技(CATL)が、ついにナトリウムイオン電池を商用化する。同社は4月16日、自社開発したナトリウムイオン電池が、まずは自動車大手「奇瑞汽車(Chery Automobile)」の電気自動車(EV)に搭載されると発表した。
奇瑞汽車は、CATLと共同で電池ブランド「ENER-Q」を立ち上げる。双方は今後、ナトリウムイオン電池のほかリン酸鉄リチウム電池や新型電池の「M3P」などの開発でも提携を深め、その成果を奇瑞の新型SUV(スポーツタイプ多目的車)「iCAR 03」などに活用していく予定だという。
CATLは2021年7月29日、第1世代のナトリウムイオン電池を発表した。バッテリーセルのエネルギー密度は160Wh/kg、常温ならば15分間で80%以上充電でき、セ氏マイナス20度の低温環境でも定格容量の90%が利用可能。乗用車に搭載した場合、航続距離は最大400キロメートルに達するという。
多くの市場予測では、23年はナトリウムイオン電池の商用化元年になるとされている。ただし、ナトリウムイオン電池がすぐにリチウム電池に取って代わるわけではない。現時点では、ナトリウムイオン電池にはリチウム電池よりもエネルギー密度が低いなどのデメリットがあるため、リチウム電池を補完する役割を果たし、リチウム電池への過剰な依存をある程度緩和するにとどまるとみられる。とはいえ、ナトリウムイオン電池の商用化が加速するのは確かだろう。
(36Kr Japan編集部)
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