中国パワー半導体用ヒートシンク製造企業、新エネ車の普及で急成長

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パワー半導体用ヒートシンク(放熱基板)製造を手掛ける中国企業「黄山谷捷(HuangShan Googe)」がこのほど、深圳証券取引所の新興企業向け「創業板(チャイネクスト)」にIPOを申請した。5億元(約100億円)の調達を計画しているという。

ヒートシンクはIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)モジュールを構成するもののひとつで、主に熱伝導(放熱)の役割を持つ。IGBTモジュールは、最下部にヒートシンクがあり、上部のDBC基板と接合され、その上にIGBTチップを置くという構造になっている。

IGBTモジュールには一般的に水冷方式が採用される。水冷方式はさらに間接方式と直接方式に分けられる。間接方式のヒートシンクはプレート型で、冷却液との間にシリコングリースを挟むため冷却液と直接触れることはなく、冷却効率は高くない。一方直接方式は針状のフィンを持つ放熱フィンを用いる。冷却液がフィンに直接触れ、また接触面積が大きいことから冷却効率が高く、現在はこの方式が主流となっている。針状放熱フィンは黄山谷捷の主要製品であり、2022年売上高(5億3700万元=約105億円)の96%以上を占めている。

黄山谷捷の主な顧客はいずれもパワー半導体の大手メーカーだ。世界トップの独インフィニオンのほか、米オン・セミコンダクター、独ボッシュ、日立製作所中芯国際集成電路製造(SMIC)などが含まれる。また、最終製品のほとんどが新エネルギー車向けで、その比率は2022年に96%を超えた。ドイツのフォルクスワーゲン(VW)やメルセデス・ベンツ、BMW、中国の理想汽車(Li Auto)、蔚来汽車(NIO)、吉利汽車(Geely Automobile)に採用されている。

(翻訳・36Kr Japan編集部)

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