TikTokのEC事業、2023年のGMV目標は強気の2兆8000億円か。東南アジアでシェア急拡大

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中国バイトダンス(字節跳動)の運営するショート動画プラットフォームTikTokが今年、世界での電子商取引(EC)事業規模を4倍拡大し、GMV(流通取引総額)200億ドル(約2兆8000億円)達成を目標に掲げた。米ブルームバーグが報じた。

TikTokの2022年GMVは44億ドル(約6000億円)。それにもかかわらず同社が業績に対して楽観的なのは、インドネシアを含む東南アジア市場が著しく成長しているためだ。米調査会社Insider Intelligence によると、東南アジアでTikTokのアクティブユーザーは23年1~3月期までに1億3500万人に達した。そのうちインドネシアが最多の1億1300万人だった。グローバル市場で見ても、インドネシアはユーザー数1位の米国に次ぐ第2位だ。

東南アジアがTikTok Shopの重点市場に

TikTokのEC機能「TikTok Shop」は、この膨大なユーザーとプラットフォームを活用しており、ユーザーはライブ配信中にリンクをクリックして直接商品を購入できる。

TikTokは目標達成のためEC事業の重点を東南アジア、特にインドネシアなどの市場に置いているという。TikTok Shopが東南アジア市場の開拓を始めたのは2021年だが、すでに一定の規模に成長している。調査会社によると、インドネシアやタイ、フィリピンでは消費者がTikTok Shopで購入するようになったため、東南アジアEC大手「Shopee」での購入額は51%減、「Lazada」で45%減、実店舗は38%減少した。

シンガポールのネット販売調査会社Cube Asia のデータによると、インドネシアではTikTok Shopの GMVは2023年1~3月の3カ月で25億ドル(約3500億円)に達した。とはいえShopeeのGMVはなおもTikTok Shopをはるかに上回っており、22年のGMVは735億ドル(約10兆4000億円)だった。Lazadaの21年のGMV は210億ドル(約3兆円)だった。

それでも、TikTok Shopはこの地域のEC市場で最も競争力のある新規参入者だ。インターネットユーザーがTikTokを見ながら過ごしている間、Tiktok Shop機能はユーザーの衝動買いを誘う。また、ライブコマース機能は、興味のある商品をもっと知りたいというユーザーの需要を満たしている。

アプリ市場専門データ分析会社data.aiのレポートによると、TikTokは最もハマりやすいソーシャルメディアの一つになった。インターネットユーザーが2022年の1年間にTikTokに費やした時間は1カ月平均28.8時間で、前年よりも延びている。一方、フェイスブックは1カ月平均15.5時間にとどまった。

TikTokは東南アジアのほか、米国やヨーロッパでもEC事業を拡大していると関係者は明かす。ただ、これらの市場はGMV 200億ドル(約2兆8000億円)の目標のごく一部だ。

今回のEC業務拡大は、TikTokの広告事業の不振を埋め合わせるためと見られている。新型コロナの流行のピーク時からテック業界全体で広告収入が下がり続け、グーグル、メタや写真共有アプリ「スナップチャット」運営の米スナップ などの企業が影響を受けている。TikTokも年間広告売上高の目標を20億ドル(約2800億円)引き下げた。

作者:Tech商業(WeChat公式ID:InnoBusiness)

(翻訳・36Kr Japan編集部)

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