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中国の動画共有サイト「ビリビリ社(bilibili)」が設立10周年を迎えた。
ビリビリ社のこれまで10年間の成功は、間違いなくACG(アニメ、漫画、ゲーム)などのサブカルチャーを好むコアユーザーを着実に積み重ねてきた結果によるものだ。しかし、コアユーザーたちの年齢は主に30歳以下に集中しているため、董事長の陳睿氏は幅広い年齢層で同社の知名度を上げようとしている。
ユーザーの心配
ビリビリ動画で弾幕(動画画面上に表示されるコメント)を出したり、動画でのインタラクティブな評論に参加したりすることができる会員になりたかったら、まず100の問題にしっかり答えなければならない。例えば、「アニメ『k-on!』の中国語の名前は?」、「『東方妖々夢』PhantasmステージのBOSSの名前は何?」というような。これらの問題にはコミュニティ規範に関する常識問題や二次元文化の知識も多く含まれている。
ビリビリ社は、このように入会ハードルの高さで一般ユーザーからは敬遠されがちだが、会員ユーザーの多くは多少の選良意識を持っている。しかし同社はこのようなイメージを変え、生活、テクノロジー、エンターテインメントなどのコンテンツを発信する広範な二次元コミュニティを目指している。そのため、厳しかった入会制限をすでに緩和しているという。
ビリビリ社の相次ぐ変化は多くのユーザーに不安を抱かせている。「これは私の好きなビリビリ動画なのか」とあるユーザーはQ&Aサイト「知乎(zhihu)」でこのようなため息をついた。多くのユーザーが「将来の弾幕の質はもっとひどくなる」、「コミュニティのエコシステムに影響する」、「古くからのユーザーが大量に流出するかもしれない」などの不安を漏らしている。二次元コンテンツへの愛により集まった仲間たちは、増え続ける新しい来訪者に邪魔されたくないのだ。
ビリビリ社の願い
しかしビリビリ社にとって、版権購入の強化、新たなチャネルの開拓などを通じて新規ユーザーを獲得することは下半期における急務だ。そのための投資はすでに行われている。今年第2四半期の財務報告書によれば、2019年6月30日現在、ビリビリ社のマーケティング費用は2.4億元(約36億円)と前年同期比で84.6%伸びている。
ビリビリ社のコンテンツエコシステムは絶えずその豊かさを増している。投稿数、月間アクティブユーザー等の指標はいずれも安定した成長を見せている。陳睿氏によれば、ユーザー数の増加が加速し、コンテンツの種類が拡張していく中で、ユーザーがコミュニティを長期的に利用する傾向は強まっているという。今年第2四半期のデータが示すユーザーの残存率は80%以上となっている。また、財務報告書には明らかな変化が現れている。その変化とは、ゲーム事業収入の増加速度が減速し、シェアが低下していることだ。一方、ゲーム事業以外の収入の占める割合は40%に上昇している。
ライブ動画、バーチャルアイドルはいずれもビリビリ社が次に力を入れなければならない分野だ。ゲーム実況動画の盛り上がりによって、ゲームのマネタイズを高めることができる。また、Vlog(動画ブログ)の勢いにより、生活ジャンル、ライブ動画のコンテンツも盛り上がりをみせている。
(翻訳・桃紅柳緑)
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