バイトダンスが海外の「TopBuzz」売却を検討、事業拡大路線に変化

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米国のテクノロジー系メディア「The Information」は9月26日、ショート動画アプリ「TikTok(抖音)」などを運営する「バイトダンス(字節跳動)」がニュースアプリ「今日頭条(Toutiao)」の海外版となる「TopBuzz」売却をめぐり、米メディア企業を含む複数の買主候補者と交渉を進めているもようだと報じた。交渉はすでに3カ月が経過したが、まとまる見通しはついていないという。なお、バイトダンスは36Krの問い合わせに対し、ノーコメントと答えた。

今回の事業売却は、急速に事業を拡大するバイトダンスのスタイルにはそぐわない。「アプリ工場」と称されるバイトダンスは、各種アプリのインキュベートを最も得意とし、株式保有の形で経営に参画してきた。文化・娯楽、旅行、教育、不動産の各分野でバイトダンスの影がちらつく。

バイトダンスは、こうした手法を海外でも踏襲している。中国で成功した抖音の海外版がTikTok、今日頭条の海外版がTopBuzzで、他にも同様のアプリがいくつかある。だた、TikTokは複数の海外市場で大規模に浸透したが、TopBuzzはそれほど目立つ存在にはなっていない。

The Informationが伝えているように、TopBuzzを売却すれば、TikTokに経営資源を集中させることができる。TikTokが米国で利益を上げ始め、TikTok、中国国内版の抖音、今日頭条がバイトダンスの三大アプリとされているが、広告収入のほとんどは中国で稼いでいる。

2015年10月にリリースされたTopBuzzは、今日頭条と同じように情報をキュレーションし、ユーザーの興味に合わせたコンテンツを配信するプラットフォームだ。主に米国大手ニュースメディアのCNN、NBC、ポータルサイトの米Yahoo!、米国の動画メディアのYouTube、Jukin Mediaなどを情報ソースとしている。海外ユーザーを取り込むために「ToppBuzzで収益を得よう」のキャッチコピーを打ち出し、2017年3月には北米App Storeのニュースアプリランキングで、Twitterを追い抜きトップになったこともある。

だが、人気を維持するのは容易ではない。コンテンツ系アプリは、各国ユーザーの特性に基づいて現地化する必要がある上、一部の海外市場では権利侵害リスクも高い。

海外に進出した中国のインターネット企業が敗れる事例は多く、バイトダンスが運営するアプリは大成功していると言ってよい。それでも、TopBuzzの海外展開が思わしくないなか、速やかに損失を食い止めて経営資源をTikTokに集中させるのは、賢い選択と言えるだろう。
(翻訳・神戸三四郎)

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