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「瑞幸(luckin coffee)」は中国のコーヒー消費量を押し上げた。今後コーヒーがさらに普及していけば、それぞれのシーンに対応した商品にチャンスが出てくる。
7月にサービスを開始したばかりの「時萃(SECRE)」はインスタントコーヒーに目をつけている。同社の最初の商品は「ドーナッツ」と呼ばれるドリップバッグコーヒーで、ECチャネル向けに開発された水出しコーヒー原液もすでに発売済みだ。時萃は創業初日に「摩拝单車(モバイク、Mobike)」の共同創業者である夏一平氏からシードシリーズで 500 万元(約7500万円)の資金調達を果たした。
時萃の創業者兼CEO の范若愚氏は同社が参入しようとする市場の特徴を次の3つにまとめている。スタバなどの店売りコーヒーの代替品としての需要、従来のインスタントコーヒーからのレベルアップ、低価格と使いやすさで新規顧客を獲得、である。
時萃が捉えようとしているのは新規顧客により成長していく市場であるため、商品は若い消費者にとって魅力的なものでなければならない。簡単に言えば、見た目と使いやすさの追求だ。
見た目とはパッケージデザインで若者を惹き付けることを意味する。時萃のドーナッツは、見た目のかわいさにこだわっており、コーヒーの重厚、単調といったイメージを変え、より若い女性向けになっている。
范若愚氏によれば、最初の商品としてドリップバッグコーヒーを選んだのは、コーヒーをあまり飲まない消費者も手軽に試せるからだという。ドリップバッグにお湯を入れる過程のイベント感やドーナッツ型のデザインは、SNSに写真を上げるのにも向いている。
見た目の次は使いやすさだ。手軽さと高品質の両方が求められる。ドーナッツは「コーヒーを知らない人でもバリスタの味が出せる」ことを目指している。フィルター、焙煎、グラインド技術を改良したことで、従来のドリップバッグコーヒーよりも本来の風味を保てているという。
水出しコーヒー原液の使い方はより簡単だ。冷水やほかのドリンクで割ればすぐに飲むことができ、より手軽さを求める消費者に向いている。
サプライチェーンと製造において、同社は熟練の焙煎工場と提携している。時萃は全世界の農園からのコーヒー豆の調達、商品デザイン、商品ごとの焙煎曲線のカスタマイズ、品質管理など全プロセスを担当し、工場は基準通りに生産するだけだ。
価格帯を見ると、ドーナッツと原液はともに4~10 元(約60〜150円)で、1スティック3元(約45円)の従来のインスタントコーヒーと、1杯10元(約150円)のコンビニコーヒーの間の空白ゾーンを狙っている。
特筆すべきは、時萃が「ドーナッツ」を「定期購入+一般販売」で提供していることだ。
范若愚氏によると、コーヒーは依存性のあるもので、定期購入なら切らす心配がないという。また、コーヒーは完全な規格品ではなく、消費者によって酸味、苦味、甘み、コクに対する好みが異なるため、ビッグデータでカスタマイズされた商品を提供することも視野に入れている。
さらに、時萃は今年下半期に北京、上海、深圳、広州、成都で小型のセルフ受け取り店舗を5店舗オープンする予定だ。これらの店舗はマーケティング効果とオフラインイベントの開催を想定しているほか、ドーナッツをその場で淹れたり、水出しコーヒー原液を使いコーヒードリンクを開発することで、低コストのドリンクショップとして急速に展開することも可能となる。
同社に提供されたデータによれば、7月にサービスを開始後、SNSアプリ「Wechat」内における時萃のミニプログラムの使用者は8000人を超え、月100%増の速さで成長している。9月のミニプログラムと「淘宝(タオバオ)」経由の売上高は100万元(約1500万円)に迫る。定期購入者の内約20%が購入契約を更新している。
(翻訳:小六)
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