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医療テクノロジーサービス企業「立達融医(Lead Medical)」がシリーズAで数千万元(数億円)を調達した。出資者の詳細は未公開。調達した資金は主に基礎医療スマートテクノロジーの研究開発と市場の拡大等に充てられる予定。なお、同社は、昨年初頭にプレシリーズAで「元璟資本(Vision Plus Capital)」から数千万元(数億円以上)を調達している。
「立達融医」の前身は2015年創業の「曜立科技(Yawlih)」だ。同社は主に医師の研究と臨床のニーズのために設立され、ビッグデータ技術を駆使し医療データの分析、処理を行うスマートツールを提供している。ソフトウェア、ハードウェアが一体化しているその製品はすでに2017年にローンチされ、商業化されている。今年9月同社はブランド戦略の一環として社名を「立達融医」に変更した。
医療におけるビッグデータが長期的にみて高い利用価値を持つことは言うまでもないだろう。しかし、大量の医療データはほとんど使用できない状況に置かれている。現状では、既存のデータ収集、保存、集合と管理方法に規範が設けられておらずデータの利用率は高くない一方で、部門や機関の間でデータの基準が統一されておらず、データの需給に対して有効なマッチングができていないため「情報の孤島」が存在していた。
立達融医のCEO許鈞杰氏は、長年の医者としての臨床経験から、医療現場の状況を熟知している。「医療データの標準化や構造化が進んでいないために、国内の医療業界では、カルテ作成、検査、研究、品質管理などの業務に従事する医療スタッフが大量の重複作業に追われている。特にデータの手入力と整理に莫大な時間を取られている」と指摘した。
「立達融医」はスマートテクノロジーを用いて医療機関における業務の効率化を図り、医師や看護師など医療従事者の負担軽減を目指すという目標を掲げている。許氏によると、具体的な技術に関しては次の3つの側面からアプローチしているという。まず、データの収集と生成において、患者の入院治療から術後管理までの全過程の医療データをカバーし、かつ全てのシステムをバックステージで相互リンクする。それから、データの保存において、ICD、SNOMED、UMLS、LOINC等国際的基準とガイドに従い、臨床データをすべてカバーする標準データベースを構築する。最後に、データ処理において、ビッグデータ、人工知能等のテクノロジーを活用し、情報処理、臨床データ分析、システム管理など一連の機能を備えたスマートテクノロジー製品「Willow」の研究開発を続ける。
同社が扱っているワンストップ型データ収集システムは医療現場の作業効率を90%向上させているという。 立達融医が重視している医療データの商業化の方向について、現段階では、医療データは手術室の管理、疾病リスクモデル、診療科ごとの医療管理分析、臨床研究支援など多くの応用シーンで重要な役割を果たしているが、将来は臨床上の意思決定と薬品・消耗品の臨床試験を支援し、医療保険システムの最適化のサポートが可能となると見られる。
立達融医の製品の単独診療科の手術におけるカバー数は国内における年間総手術数の10%に達しているという。同社の製品はソフトウェアとハードウェアが一体化しており、サーバーが直接病院に設置されているため、データが院外に流出することなく、十分なセキュリティが確保されている。
業界の参入障壁については、許氏によると、医療ビッグデータを医学研究と医療現場に用いるならば、科学研究、管理、臨床、品質管理など医療全般のニーズを理解する必要がある点があげられる。医療という専門分野と人工知能、ビッグデータを融合させることは容易ではない。理論と実践が必要であり、さらに実際の臨床のニーズを満たさなければならないのだ。
(翻訳・桃紅柳緑)
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