中国の人型ロボット「CASBOT」、約20億円調達。製造・鉱山現場で実装、自律学習で進化 

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中国の人型ロボット「CASBOT」、約20億円調達。製造・鉱山現場で実装、自律学習で進化

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中国の人型ロボットブランド「CASBOT(霊宝)」を展開する中科慧霊機器人がこのほど、追加のエンジェルラウンドで1億元近く(約20億円)を調達した。出資には藍思科技(Lens Technology)や天津佳益、既存株主の国投創合(SDIC Unity Capital)、河南資産管理(Henan Asset Management)が参加。資金は主に製品の量産や技術開発、市場の開拓に用いられる。

CASBOTは2023年8月に設立され、AI(人工知能)を搭載した二足歩行の汎用人型ロボット「CASBOT 01」と第2世代の「CASBOT 02」を相次いで発表している。

CASBOT 01は身長179cm・重さ約60kgで、52の自由度に550TOPS演算性能を持ち、4時間を超える連続稼働が可能。主に屋外の複雑な環境や特殊な用途での活用が想定されている。

軽量版のCASBOT 02は、身長163cm・重さ約55kgで、演算性能は275TOPS。RGB-Dカメラ、慣性センサー(IMU)、マイクロホンアレイを搭載し、フェイストラッキング(顔追尾)や声紋認識技術を通じて、特定のターゲットに追従したり音声指示を識別したりすることが可能だ。ノイズ環境下でも高い認識精度を保つことができ、ショールームや商業施設、自動車ディーラー、教育現場などの案内・説明業務に活用されることが期待されている。

CASBOT 01(左)とCASBOT 02(右)(画像:企業提供)

製品のAIパフォーマンスは、強化学習メカニズムによってリアルタイムで最適化される。力覚センサーによるフィードバックや視覚信号の誤差データなどをもとに継続的に学習を重ねること、モーションコントロールの性能を向上させ、ネジ締めや部品の仕分けといったタスクにおいても、自律的に動作精度や軌道計画を調整する能力を備える。

同社は現在、工業現場と鉱山開発の二大分野で収益化を目指している。すでに緊急対応や坑内作業、製造業などの現場でノウハウを蓄積しており、高品質な顧客基盤を構築している。

例えば工業現場では、5本指のロボットハンドが人間の手の動きを再現し、ネジ締めやケーブルの抜き差しといった作業を迅速に学習して緻密な操作を実現でき、フレキシブルな生産ラインの構築に寄与する。

CASBOTのロボットハンド(画像:企業提供)

鉱山開発の分野では、招金集団(Zhaojin Group)や中砿資源集団(Sinomine Resource Group)、中信重工(CITIC Heavy Industories)といった業界大手とすでに提携を結んでいる。坑内作業や巡回点検などのシーンを想定し、特殊な用途に対応する人型ロボットの開発を進めている。

さらに、商業サービスや教育などさまざまなシーンに対応する製品ラインも用意している。モジュール化設計を採用することで、顧客ニーズに応じた迅速なカスタマイズ・製品開発が可能な体制を整えている。

*1元=約20円で計算しています。

(翻訳・大谷晶洋)

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