TikTokがFacebook本社近くに拠点設立、真っ向勝負の日は近い?

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米ニュース専門放送局CNBCによると、ショート動画アプリのTikTokなどを運営するバイトダンス社がこのほど、カリフォルニア州シリコンバレーに海外向けTikTokの事業拠点を設立したことが分かった。かつて米フェイスブック傘下のメッセージアプリ「WhatsApp」がオフィスを構えていた場所で、フェイスブック本社のあるメンロパークからわずか数キロメートルしか離れていない。

この動きについて、TikTokがフェイスブックからの人材引き抜きを狙っているとの見方が広がっている。ビジネスSNSの米「LinkedIn」上で、TikTokとバイトダンスはベイエリアでの求人を数多く出しており、給与水準もフェイスブックを20%以上上回っている。ちなみに、2018年までにバイトダンスはフェイスブックから20数人を引き抜いている。

バイトダンスの魅力は給与だけでなく、高い成長性にもある。同社は評価額が750億ドル(約8兆1750億円)という世界最大のユニコーン企業であり、複数のメディアが新規株式公開(IPO)の準備中だと報じている。先日発表されたデータによると、同社系列サービスの1日当たりアクティブユーザー数(DAU)は7億人。一方、写真共有アプリのインスタグラム、WhatsAppなどフェイスブック系列サービスのDAUは21億人以上だ。

フェイスブックは昨年、TikTokとほぼ同様の機能を持つショート動画アプリ「Lasso」をリリースした。モバイルアプリ調査会社の米「Sensor Tower」のデータによると、今年に入ってからの主要アプリストア「App Store」と「Google Play」でのTikTokダウンロード数は5億4600万。一方、Lassoのダウンロード数は世界で4億2000万にとどまっている。

一部報道では、インスタグラムも「Clips」と呼ばれる新機能を開発中だと伝えられている。この新機能はTikTokの動画作成機能に近い。技術系ニュースサイトの米「The Verge」によると、フェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグ氏は先ごろ行われた社内会議で、TikTokに対抗するため、LassoをTikTokが進出していないメキシコなどの市場に送り込む新戦略を打ち出したもようだ。

ザッカーバーグ氏は今年7月の時点で、TikTokが同社の主な競合製品の一つになっていると発言していたことが明らかになっている。公開された音声によると、同氏はこれまで長期間にわたり、インターネット分野の中心は米国企業が占め、中国企業は国内事業に重心を置いていたと指摘。だが、バイトダンスのTikTokは中国企業が生み出した世界的に評価の高い製品であり、若者の間で特に人気が高いと認め、インドでも急速に成長しており、規模の上ではすでにインスタグラムを追い抜いていると明かした。

同氏の発言は、TikTokがフェイスブックから若者のユーザーを奪い始めていることも意味している。投稿したコンテンツが「消える」ことが最大の特徴であるSNSの米「Snapchat」の台頭を受けて、フェイスブックが同社を意識した戦略を次々に打ち出したことを考えると、一波乱起こるのは間違いない。フェイスブックとバイトダンスが真っ向勝負する日も近そうだ。
(翻訳・池田晃子)

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