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従来の画像取引市場では、画像購入者が支払う著作権使用料のうち、画像販売プラットフォームが50~85%を手数料として徴収し、画像提供者は残りを受け取るだけだった。
画像販売プラットフォームのスタートアップ「Imagol」は、こうした業界のあり方はすでに変化の時を迎えていると考えている。画像購入者側は費用の高さや検索効率の低さに不満を感じると同時に、よりリアルで力強い画像を求め始めている。一方、スマホ技術の発達により、誰でもいい写真を撮れるようになり、画像提供者側のハードルは下がり続けている。
Imagolはユーザーのスマホに眠っている写真を有効活用し、購入者の費用負担を軽減する高効率な画像販売AIプラットフォームを構築した。
世間の誰もがカメラマンに
中国の画像取引市場において、著作権使用料を支払う購入者は約15%、市場規模は約71億元(約1100億円)となっている。だが市場の大部分は「視覚中国(Visual China Group)」のようなプロカメラマン向け画像販売プラットフォームが占めており、一般人が撮影した写真を収益化できるプラットフォームはなかった。
Imagol創業者のJack Derong氏は、同社のサービスはスマホユーザーが大量に保存している写真の収益化と権利保護を可能にすると語る。
Imagolは世界各地の全スマホユーザーに画像提供を呼びかけている。画像の販売価格はユーザーが自由に設定できる。一方、画像のリアルさを担保するため、ファイルサイズを2M以上に限定している。人物写真については、被撮影者の権利を保護するため電子版「肖像権使用合意書」のアップロードが必要となる。画像提供者の報酬は売上の80%で、Imagolの取り分は20%のみだ。
Imagolは2020年までに構図を自動調整してくれるAIカメラを開発する予定だ。ユーザーはカメラの指示通りに撮影するだけで簡単に作品を完成でき、Imagolを通じてワンストップでの写真の撮影、加工、共有が可能になる。
シナリオに合った写真入手をImagolがサポート
ブランド企業の多くは、多くのコストと時間をかけて様々な画像販売プラットフォームからシナリオに合う画像を探しているが、画像の質や情報価値が常に保証されているわけではない。企業側は、効率よく信頼性の高い画像が入手できるプラットフォームを切実に求めている。
Imagolは、既にAI技術を画像の分類に活用しており、AI画像処理フィルターもリリースする予定だ。今後はAI技術を画像のスマート検索などにも活用し、企業側のニーズにより素早く対応し、ビッグデータを基に企業のニーズに合わせた画像探しをサポートしていく。
ブランド企業はImagol内にアクティビティ画面を開設でき、ユーザーはアプリを通じてアクティビティに関連する画像をアップロードできる。企業側は画像の使用権を含む版権の購入が可能で、ユーザーが撮影した信頼性の高い写真を直接入手できる。
Imagolは、画像の価格設定審査にカメラマン・コミュニティを加わらせることで、合理的な価格設定も図っている。
Imagolは今年5月、iOS対応アプリをリリースした。初期ユーザーを大学キャンパスでのPRなどで獲得し、9月にはユーザーが3000人を超え、月間アクティブ率(MAU)は44%となった。今のところユーザーは、概ね24歳以上で、旅行や食事の様子をシェアすることを好み、インスタグラムを利用したことのある層となっている。
Imagolは本社を上海に置いている。創業者のDerong氏はシンガポールで連続して創業を果たした人物だ。カナダのエミリー・カー美術大学を卒業し、広告業界で20年の経験を持つ。CPOの汪美昕氏は「瑞麗撮影(REALLY PHOTO)」の元オペレーションディレクター。写真業界で10年の経験があり、多くのカメラマン協会とのパイプを持つ。その他の中心メンバーには、アップルの元デザインディレクターなどもいる。
Imagolは2018年、シードラウンドでシンガポールの企業から120万元(約1900万円)を調達している。同社は現在、エンジェルラウンドでの資金調達を目指している。資金は主に商品開発、PR、人材獲得に充てる予定だ。
(翻訳・田村広子)
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