火鍋王者・海底撈、中国で回転寿司に参入 客席回転率「8回」で日本勢を脅かす

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火鍋王者・海底撈、中国で回転寿司に参入 客席回転率「8回」で日本勢を脅かす

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中国の火鍋チェーン大手、海底撈国際控股(ハイディラオ)がこのほど、回転寿司チェーン「如鮨寿司(NYOI SUSHI)」の1号店を浙江省杭州市に開設した。

如鮨寿司はその場で調理した寿司やうどん、天ぷらなどが売りで、平均客単価は88元(約1900円)ほどと手頃だ。1号店の週末のデータによると、1日あたりの客席回転率は平均8回、来店者数は800〜1000人と主力の火鍋店「海底撈」の平均を大きく上回る。

中国ではここ数年、消費の二極化を背景に、気軽な交流、手頃な値段、健康志向を好む若者を中心に回転寿司の人気が拡大している。調査機関の紅餐産業研究院によると、中国の日本料理市場は回復傾向にあり、2025年には700億元(約1兆5000億円)を超える見込みだという。ハイディラオはこのタイミングを狙って回転寿司事業に参入し、同社の多角化戦略を強化する方針とみられる。

月給2900円のホールスタッフから資産2000億円の女性CEOに。火鍋チェーン「海底撈」、トップ交代で戦略転換

ハイディラオは2025年6月時点で、主力の火鍋店「海底撈」以外に「焔請烤肉舗子(YEAH QING BBQ)」やフライドチキンの「小嗨愛炸(HI CHICKEN HI SAUCE)」など14の飲食ブランドを展開。これら14ブランドの1〜6月の売上高は前年比で227%増加したものの、全体に占める割合は2.9%にとどまった。現在のところ、火鍋店以外の飲食ブランドはいずれも試行段階にある。

中国の回転寿司市場には、日本発のスシロー、はま寿司、元気寿司をはじめとする強豪がひしめいている。今回オープンした「如鮨寿司」が品質と価格のバランスを保ちながら頭角を現せるかが、ハイディラオが「第2の成長曲線」を描けるかどうかの鍵となる。

中国で人気高まる日本料理、寿司に唐辛子やモツなど地元食材との融合も

*1元=約21円で計算しています。

(36Kr Japan編集部・茶谷弥生)

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