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感染症の影響が続いており、中国の数十万社のスタートアップが難局に立たされている。
不況下でどのように資金調達するのかというのは新しいテーマではない。しかし、現在のように多数の不確実要素があるなかで、既存の資金調達戦略をどのように調整すればいいのかは、起業家に突きつけられた新たな難題である。
そこで、VC業界で15年以上の経験を持つベテラン投資家3名を取材し、彼らの意見を聞いた。いずれも2000年のインターネット・バブル、2003年のSARSを経験したことのある人物だ。彼らは、窮地を乗り越えてきた企業と、その創業者たちを見てきた。彼らの意見をまとめたのが、次の10のアドバイスである。
1、他人を頼りにしすぎず、自分で自分を救うこと。
2、すぐにキャッシュが必要なら、会社の評価額を気にしないこと。
3、今が資金調達に適したタイミングかどうかを再考すること。
4、待つだけではなく、情勢好転後の資金調達に向けた資料作りなどを始めること。
5、出資者を探す範囲を絞ること。
6、株式発行以外に、転換社債などの方法を検討すること。
7、キャッシュ・フローが半年持ちそうにないならすぐに会社休眠を。
8、人件費を削減する方法はリストラだけではない。柔軟な交渉をすること。
9、優先順位の低い事業を切り捨てること。
10、オンラインでもいいので頻繁にチームメンバーと意思疎通を図ること。
感染症によって投資家の方針は変わるか
投資は長期的な視点で行うものであり、ニーズの一時的な変化で方針が変わることはない。投資家が注目するのはいつでも真に実力があり、優れた商品や技術を持ち、業界のリーダーになれる企業である。
疾病の診察、治療、情報管理、サプライチェーン管理など、感染症に関連した業種のポテンシャルが明らかになってきた。しかし、VCからすれば「感染症特需」が存在するわけではない。スタートアップがこの点を考慮する必要はないだろう。
感染症終息後の資金調達は急回復するか
今回の新型肺炎は2003年のSARSとよく比較されている。
SARSが終息した後、中国経済はリバウンドともいえる成長を記録した。今回はそれを再現することが可能だろうか。
SARS終息後は、ちょうど中国がWTOに加盟し、GDPが高速成長していた時期だ。当時と比較すれば、景気全体が低迷しているという大きな環境の差がある。2019年の資金調達件数はすでに大きく減少しており、感染症はそれに追い打ちをかけたに過ぎない。したがって、新型肺炎終息後に資金調達が急回復するとは考えられない。
それでも、今の市場には実力のあるVCが多く、年間の投資金額目標を設定しているVCもある。そのため、投資できない状況が一定期間続けば、その後、より積極的に投資するようになるだろう。その意味で、新型肺炎終息後に小さな盛り上がりを見せる可能性はある。
感染症から学べること
今回取材した投資家は各自の観点から語ってくれたが、全員が触れたアドバイスが一点だけある。リスクコントロールだ。
たしかに、リスクコントロールは難しい。周知のように、中国独特の競争環境によって、誰もがより早く、より勢いよく走ることしか考えておらず、失敗のリスクを全く考慮しないことに慣れているためだ。
この点は繰り返し議論されてきたことであり、良い解決方法はないように見える。
感染症は起業家にとって、自社の現状と成長を反省する貴重なチャンスになるかもしれない。この状況で生き残ることができれば、より強くなることは間違いない。
(翻訳:小六)
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