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中国のサービスロボット市場の成長率は、ここ数年世界でも先頭を走っており、新型コロナウイルスの流行が、その成長を更に後押ししている。国際ロボット連盟(IFR)のデータによると、2019年の世界のサービスロボットの市場規模は290億ドル(約3兆円)で、成長率は3.2%に達した。このうち中国国内の市場規模は約22億ドル(約2400億円)、成長率は33.33%で、世界市場に占める割合は約23%となった。
人間とロボットが共存する時代は、もうすぐそこまで来ているのかもしれない。今回の特集では、36Kr Japanが取り上げたサービスロボットを手掛けているスタートアップ6社をピックアップした。ロボットの進化で人々の暮らしはどう変わるか、想像してみしょう。
感染症対策に消毒ロボット
中国感染症対策にスマートロボットが活躍 危険で面倒な消毒作業も一手に
2019年末から広がった新型コロナウイルス感染症は人々の生活を大きく変化させた。ロボット技術の研究開発を行う「布科思科技(BooCax)」は今年年3月に消毒用噴霧ロボットを開発し、高い安全性と効率性を強みにさまざまな公共の場所に普及し始めた。
2014年に設立された同社は、ロボットの自己位置推定・ナビゲーション設備およびアルゴリズムの研究開発を行ってきた。当初はほかのロボットメーカーに対して、自己位置推定やナビゲーション機能のソリューション提供を行っていたが、現在では消毒ロボット、搬送ロボット、室内配送ロボットなどのハードウエア製品開発を主力にしている。
飲食店で活躍する配膳ロボット
飲食店の無人化が加速、中国「KEENON 」の配膳ロボットが日本でも採用
2010年に設立した「KEENON ROBOTICS(擎朗智能科技)」は、屋内配送ロボットの開発と製造に特化しており、主力商品は飲食店の配膳やホテルのサービス、医療機関内の配送等のシーンで利用されている。
同社の配膳ロボットは飲食企業の人件費削減をセールスポイントとしている。現在1000を超える企業と提携しており、中には火鍋専門の人気店「海底撈(Haidilao)」や杭州料理の「外婆家(Grandma’s Home)」など中国の大手企業も多数含まれている。
去年12月、KEENONは株式会社日本システムプロジェクトとパートナーシップ契約を締結した。飲食店様のさらなる省人化、スマート化を進める一手として、同社製のAI搭載配膳ロボット「PEANUT」を日本市場へ販売することになった。
高層ビルの外壁清掃ロボット
高層ビルの外壁清掃 人間からAIロボットへ 高所作業も無人化
高層ビルの外壁清掃をロボットで代替する需要が高まっている。中国のスタートアップ「映星智能」が開発した清掃ロボットは自動で多方向に移動し、異なる外壁の形状と材質に合わせて洗浄液を自動で選ぶ。人工知能(AI)で壁面を認識する技術を使い、窓枠や窓ガラスを識別する。人手による作業と比べて効率は3~4倍高い。
外壁の洗浄は高所作業者の資格が必要で、人件費が上昇している。同社のロボットは人に比べ作業コストを3割程度抑え、ビル管理会社や清掃会社など約60社に販売先を広げた。外壁清掃の単価が中国の10倍高いという欧米や日韓への進出も視野に入れる。
医師の負担を低減する採血ロボット
病院の採血室はあまり長居したくない場所だ。患者にはもともと採血が苦手な人もいるし、医療スタッフにとって、採血は患者との距離が近いため感染リスクもあり、採血ミスは医療トラブルの原因になることもある。採血ロボットはこれらの課題を解決し、頻度と難易度が高い採血作業から看護師を解放できるかもしれない。
中国新興企業「磅客策(Puncture Robotic)」は小型かつ半自動式の携帯型採血ロボットのプロトタイプを開発するとともに、全自動の採血用穿刺ロボットの開発も手掛けている。このロボットは採血の際の穿刺から必要な消耗品の管理まで一連の作業をモジュール化して統合し、採血プロセス全体を自動で行える。同社は、将来的には全自動採血ロボットに採血後の血液サンプルの選別と生化学検査モジュールを追加し、更にIoTを利用し、採血から血液サンプルの管理、生化学検査、診断、治療方針策定までをスマート化したワンストップの診療ソリューションを構築して医療機関に提案する予定。
防犯もお喋りもできる高性能清掃ロボ
単なる掃除機を超えている 防犯もお喋りもできる中国高性能清掃ロボ
家庭用ロボットの市場が中国で急成長している。2016年に設立した遠弗科技(トリフォ)はロボット掃除機に特化したスタートアップだ。人工知能(AI)を搭載した掃除機が人間やペット、家具など周辺環境を絶えず分析して学習し、経路計画を立てるよう設計している。
最新機ではスマートスピーカーと連携して音声操作が可能になったほか、AIで人物などを検出する防犯カメラとしての機能も持たせた。中国で10月から販売する。人とコミュニケーションをとりながら、家事を効率化して楽しいものに変えるのが同社の目指すロボットの姿だ。
(編集・Ai)
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