TikTok親会社のバイトダンス、オフラインクリニックを開業へ 医療分野に本腰

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TikTokを運営するバイトダンス(字節跳動)がオフライン医療機関の総合外来事業をスタート、インターネット医療にからめて新たな事業を打ち出した。

バイトダンスが今年、北京にオフラインの医療機関「松果門診(PINECONE CLINIC)」を立ち上げていたことが、Tech星球の取材でわかった。

企業情報検索サイト「天眼査(Tianyancha)」のデータによると、松果門診の主体は北京松果門診部有限会社で、今年6月に創設されている。実質的な経営者と思われる呉海鋒氏は、現在バイトダンスのインターネット医療業務の担当責任者を務めている。

松果門診部は今年9月11日、北京市海淀区人民政府公式サイトで医療機関として公示された。担当責任部門は海淀区衛生健康委員会。

医療関係者の人材募集を行う「中国衛生人材網」には松果門診に関する求人があり、7月から募集を行っている。北京松果門診は北京市海淀区中関村e世界財富センター1階に開業予定で、医療、予防、健康管理などのオン・オフラインサービスを一体化したハイレベルな総合医療機関である。内科、外科、婦人科、総合内科、口腔科、皮フ科、中国医学・漢方、健康管理などの診療科を設けている。

画像は松果門診の正面入口。総合案内のカウンターが見える。同ビルの階上にはバイトダンスのオフィスもある。

利用者ごとの医療サービスに応えるため、松果門診は内科医、婦人科医、眼科医、口腔医、漢方医、予防健康科医、放射線医師と技師、エコー専門医、カプセル内視鏡医、薬剤師、臨床検査技師、看護師長兼院内感染管理、主任看護師各1名を募集する予定だ。また、別途、看護師4名と医療運営者3名を募集している。

このほど松果門診を実際に訪れてみた。松果門診の警備員によると、まだ正式には開業しておらず、現在一部の施設は改装工事中で、完成後は1カ月のテスト稼働期間を経て、2カ月後に正式開業となるという。

バイトダンスが松果門診部を設けたことからバイトダンスがオフライン市場を重視していることがうかがえる。インターネット医療業界の多くの人が、バイトダンスがオフライン医療に参入したことは理解しがたいとしている。ただ、おそらくビジネス化のために多ルートでの産業配置を行い、最終的にはビジネス化サービスを行い、同時にアセットヘビーモデルの発展を目指しているとの見方を示した。

現在、第一線のインターネット医療関連企業には医療従事者向けオンラインコミュニティ「丁香園(DXY)」、ワンストップ型医療サービスプラットフォーム「企鵝杏仁(Qiexingren)」、インターネット医療サービス「微医(WeDoctor)」などが次々とオフラインでのクリニックを設けており、多くの都市にクリニックチェーンを設けている。

オンラインには移行しにくい検査と診断があるため、一部の患者は今もオンラインとオフラインを組み合わせた医療モデルを選択している。これも医療エコシステムチェーンにおけるインターネットオフライン医療サービス機関の役割でもある。

丁香園董事長の李天天氏は、医師と患者間のオンライン診療には持続性がなく、オンライン診療が対面診療に取って代わることはないと考えている。インターネット思考で実体のある医療機関を構築することこそが、李天天氏が考える最も理想的な医療モデルであるという。

インターネット医療が始まった当時は、中国国内で医師は自由に開業できる状況ではなく、インターネット医療では「低価格ですぐれたサービス」を実現することが難しかった。しかし現在は、各地で医師の就業条件が引下げられており、各地の医療資源も均衡化してきている。このことも民間医療機関にとっては好材料であり、より多くの優秀な医師を採用して自身の医療サービスの拡充につなげられる。

国家統計局が今年初めに発表したデータによると、民間病院はわずか1年で2000カ所も増えたという。2019年時点で民間病院は2万2000カ所、公立病院は1万2000カ所となっている。民間資本の医療サービスの割合がますます拡大しており、投資家も注目している。

バイトダンスの松果門診部の設立は、同社がインターネット医療のオンラインとオフラインを結び付けようとする決意の表れであることが見て取れる。今後はアリババやテンセントなどの大手企業同様、自社の医薬品Eコマースプラットフォームを構築したり、医療保険や決済機能などをリリースしたりして、包括的なインターネット医療サービスを実現すると思われる。(翻訳:lumu)

 

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