トラック配車アプリ最大手「満幇集団」が新たに資金調達 企業評価額100億ドルへ
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米紙ウォールストリートジャーナルが関係者からの情報として伝えたところによると、中国のトラック配車アプリ最大手・満幇集団(フル・トラック・アライアンス・グループ)は新たに10億ドル(約1100億円)の調達を目指している。出資者にはソフトバンクグループや、グーグルの持ち株会社アルファベットが含まれるという。今回の調達によって、満幇集団の企業価値は100億ドルに上るとの見方もある。
満幇集団は2017年11月、トラック配車アプリでシェア1位の「貨車幇」を運営する貴陽貨車幇科技と、同2位の「運満満」を運営する江蘇満運軟件科技との合併によって誕生した。2018年4月、統合後初の資金調達で19億ドルを獲得。当時、企業価値は約60億ドルとされた。
企業情報を提供するアプリ・天眼査によると、満幇集団の合併前後の資金調達の流れは以下の通り:
2013年11月30日、エンジェルラウンドで数百万元を調達
2014年11月28日、シリーズAラウンドで500万ドルを調達
20115年5月12日、シリーズBラウンドで数億元を調達。出資者は光速中国
2015年8月19日、シリーズCラウンドで数億元を調達。出資主導は雲鋒基金で、紅杉資本中国、光速中国が追随
2016年7月1日、シリーズC+ラウンドで5000万ドルを調達
2017年1月6日、シリーズDラウンドで1.1億ドルを調達。出資主導はGGVキャピタルと襄禾資本。雲鋒基金と紅杉資本中国、光速中国などが参加
2017年11月17日、シリーズD+ラウンドで1.2億ドルを調達。出資者はTiger老虎基金
2018年4月24日、シリーズEラウンドで19億ドルを調達。ソフトバンク主導の投資ファンドであるビジョン・ファンドと中国政府系プライベートエクイティの国新科創基金が主導。キャピタルG、ウォード・フェリー、ファラロン・キャピタル、ベイリー・ギフォード、陽光保険融匯資本、金沙江創投など国内外の投資機構が参加。
こうして満幇集団はトラック配車アプリとしては国内最大手となった。トラック運転手と荷主をマッチングするアプリの運営が主要事業だ。ただし、同グループの目標はそれにはとどまらない。CEOの王剛氏は今後、より迅速で正確な情報にリーチするプラットフォームの構築や、新エネルギー、無人運転、海運の分野にも着手する考えを示している。また、トラック運転手を対象に軽油、ETC、新車、金融、保険などを網羅するワンストップサービスを拡大していく方針だ。
満幇集団は2018年6月、自動車アフタ―マーケットECの甲乙平定に3億元を出資。同市場参入への基礎を打ちたてた。さらに7月、山東満幇能源を設立して正式にガソリン供給事業に着手した。
新興ユニコーン企業として急速な拡大を遂げる満幇集団だが、中国の民間シンクタンク・胡潤研究院が発表した「2018年第2四半期大中華区ユニコーン指数」によると、2018年6月30日までに企業価値は300%増の400億元と評価された。同番付表に選出されたユニコーン企業162社のうち18位にランクされ、前四半期より順位を28上げている。
業界では上位に位置づけているものの、課題も多い。ひとつは物流業界との利益相反行為が指摘されている点だ。実際に2018年6月、一部の物流企業との間で価格決定権について争議となり最終的には満幇集団側が譲歩という結果で落ち着いた。さらには、都市間物流において路鯨科技物流、560物流集団、物流一点通といった競合企業の圧力も受けている。
一見して順調な満幇集団だが、安心するにはまだ早い。