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都市での独居世帯の増加が「一人飯」ビジネスを生んだ。中国民政部などのデータによると、単身の成年人口は2億6000万人で、そのうち7700万人が一人暮らしをしている。
一人用の缶詰ブランド「独立食代(Solo Dining)」の創業者である李暁楠氏は、「軽量で便利、機能性は単身者の食事の基本になっている。特に25~36歳のおひとりさまを楽しむ人たちの消費は、便利であれば買う、流行を追わず個人で使うものは自分の気に入ったものを選ぶ、自分だけの空間を好み、何よりも自分に合うことを重視する」と話す。
独立食代ブランドは2019年6月設立で、2020年4月から続々と商品を販売している。小さな白い缶詰の食品が主力商品で、一食で1缶、常温でそのまま食べられる。自炊とデリバリー以外の第3の食べ方を提案している。商品は、牛肉カレー、ミートソースなどのおかず、中国の美容食品、主食、下ごしらえ用調味料の4シリーズを揃える。オフィスでの昼食、自宅やアウトドア、旅行などのシーンが想定され、主な価格帯は18~22元(300~370円)だ。
同社のチームは外食関連メディアの経験がある。コンテンツのよさを生かたいとしており、レストランのIP(知的財産権)とコラボを進めている。具体的には、以下の三つの方法だ。1)提携レストランがブランド情報を独立食代の商品の缶に表示、ネットメディアへの露出ルートを共有、さらに店内でも販売する。2)独立食代がレストランのニーズに応じて商品開発を進める。3)レストランの料理の商品化を進め、看板料理をイートイン以外でも提供する。
李CEOは、一人飯ビジネスにおいて缶詰業界は過小評価されており、中国の缶詰市場は1000億元(約1兆6800億円)規模でありながら企業の規模や生産高は低めで、統合が進む可能性があると話す。
同社は、消費者は缶詰について防腐剤を添加している、新鮮ではない、栄養がないという誤解があり、生産過程で対策を取ってこの問題を回避していると話す。
独立食代はアリババ傘下のC2Cモール「タオバオ(淘宝網)」やB2Cモール「天猫(Tmall)」のほか、食や生活関連のアプリ、ミニプログラムなど40以上のチャネルやパートナーと提携している。
創業者の李氏はグルメ雑誌のメディア担当編集長、グルメ系オンライン販売会社の創業経験がある。共同創業者の一人は同誌の編集長を務め、マーケティングやブランド運営の経験があり、もう一人はグラフィックデザインや食品のパッケージデザインの経験がある。サプライチェーンの責任者は火鍋チェーン「海底撈(ハイディーラオ)」などで仕入れの要職に就いていた。
独立食代は設立後にエンジェルラウンドで「九陽集団(Joyoung)」から数百万元(数千万円)の出資を受けている。現在プレシリーズAを進めており、「商品のメディア化」を着実に進めたいとしている。
(翻訳・二胡)
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