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アリババは4月29日、北京市が主催した「首都網絡安全日(Capital Cyber Security Day)」に関するイベントで同社の最先端技術を駆使したセキュリティシステムを発表した。製品には厨房の火災を防ぐAI消防システム、顔写真の加工や偽の電子署名を用いた証明書、偽動画などを識別するAI偽造防止システム、AI詐欺防止システム、AI防疫システムなどが含まれる。それぞれの機能は以下のように紹介された。
■AIスキャニングシステム
同社のセキュリティ専門家・屏翰氏はこの日、スマートフォンで撮影した写真で直接商品検索できる最新のAIスキャニングシステムを公表。あるドラマにたびたび映り込む食品を撮影すると、すぐにシステムが画像を識別し、該当商品の正規品を取り扱うオンラインショップのページへ移動した。このシステムを使うことでテレビやネットで見かけた気になる商品をリアルタイムで購入できる。
■AI偽造防止システム
屏氏はまた、同社は動画の著作権侵害防止を目的にAI偽造防止システムを生かした透かしロゴ技術を開発したと紹介。ショートビデオにも人気ドラマにも挿入が可能だ。同技術は、ネット上の動画が海賊版かどうかを自動で識別できるほか、ライブ配信やオンライン授業などショートビデオの版権保護もカバーする。版権管理企業はこの技術を活用すれば数百万元(数千万円)の技術使用料を節約でき、サードパーティー製品のセキュリティや企業秘密保護にもつながる。
同システムを利用して開発された画像検証技術は証明書や印鑑がねつ造されたものかどうかを識別する。また、写真の人物に小顔効果や足を長く見せると言った加工が施されていないかも識別できる。
■AI消防システム
AI消防システムは厨房の安全を守るシステムで、AIによる画像認識技術と赤外線サーモグラフィー技術を組み合わせたもの。人のいない厨房で油の温度が高温に達するとスタッフにアラーム通知が送られる仕組みで、すでに中国国内の多くの飲食店に導入されている。消防の他、商業施設の破損防止、食品安全、物流安全、イベントのセキュリティといったシーンへの応用も可能だ。
■AI防疫システム
AI防疫システムは赤外線サーモグラフィー検温、可視光マルチソース技術が組み合わせられており、リアルタイム検温、マスク着用有無の識別を行う。ショッピングモールや地下鉄の駅など人の密集する公共エリアで活用できる。体温が37.3度以上でマスクを着用していない人を検知した場合はアラームが鳴り、施設の管理者に即通知される。
■AI詐欺防止システム
ネット犯罪撲滅のため、同社のセキュリティ部門は2019年12月に公安部門と連携しネット詐欺を自動認識するAI詐欺防止システム「銭盾」の運用を開始した。ユーザーが詐欺の電話を受けると同システムが作動し、詐欺に巻き込まれる危険のあるユーザーにロボットから注意喚起の電話がかけられる。また、ポップアップ形式で警告メッセージも送られ、ユーザーがこのポップアップを閉じない限りスマートフォンでの支払いなどの操作ができなくなる。2020年5月までに同システムから電話を受けるユーザーの数は1日あたり3000人に上り、詐欺防止の成功率は95%を超えたという。
■AI取締りシステム
AI取締りシステムは同社が約20年にわたり蓄積してきた偽物のデータや取締りの経験から作られたアルゴリズムで、知的財産保護テクノロジーの宝庫とも言える。137億を超える偽物のサンプル画像が保存されており、中国国家図書館186館分の収蔵量にもなるという。同システムは24時間作動し、著作権を侵害する疑いのあるコンテンツには96%の確率で接続される。発見と同時に該当コンテンツは削除されるという。
(翻訳:Qiunai)
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