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中国のIT大手テンセントが20日、2021年第1四半期(1〜3月)の決算報告を行った。売上高は前年同期比25%増の1353億300万元(約2兆2900億円)で、純利益(非国際会計基準)は同22%増の331億1800万元(約5600億円)だった。
同社の主軸となるSNSアプリWeChat(微信)の国内外含めた月間アクティブユーザー数(MAU)は前年同期比3.3%増、前四半期比1.4%増の12億4100万人だった。中でも動画アカウントやミニプログラムの存在がWeChatの形成するエコシステムをより一層拡大させ、特にアクティブ状態にあるミニプログラムの数は前年同期の3倍以上にまで増えている。
インスタントメッセンジャーQQのモバイル経由のMAUは前年同期比12.6%減の6億640万人。依然として減少傾向が続いている。一方で有料付加価値サービスの登録ユーザー数は同14.3%増の2億2570万人に達し、売上高は同16%増となっている。
テンセントは1カ月前、設立以来四度目となる戦略調整に踏み切った。前回は2018年9月で、「持続可能な社会的価値の創出」を戦略の中核に据え、コーポレートデベロップメント事業グループ(CDG)にサステナブル・ソーシャルバリュー部門(SSV)を創設している。
その他複数の事業部が再編され、ゲーム開発スタジオ「天美工作室(Timi Studio Group)」を統括する姚暁光氏がSNSプラットフォーム事業も統括することとなり、QQ事業でも指揮を執っていく。姚氏直轄の新QQ事業部は、SNSやエンターテイメント周りの若年層需要により深く寄り添っていく構えだ。
また、プラットフォーム・コンテンツ事業グループ(PCG)にはオンライン動画を統括するビジネスユニットを創設。長編動画プラットフォーム「テンセントビデオ(騰訊視頻)」、短編動画プラットフォーム「微視(WeSee)」、アプリストア「応用宝(myapp.com)」をまとめて管轄する。レコメンデーションアルゴリズムをアップグレードさせることで、これらのプラットフォーム間のシームレスな視聴体験を提供するほか、既存の長編動画コンテンツを短く再編集し、短編動画コンテンツの拡充を図っていくという。
テンセントの主力事業の一つであるゲーム事業の売上高は、コロナ禍に伴うステイホーム需要が大きく底上げした昨年第1四半期からさらに17%増となる436億元(約7400億円)だった。看板タイトル「王者栄耀(Honor of Kings)」のデイリーアクティブユーザー数および課金ユーザー数は今年2月に最高記録を叩き出している。テンセントはゲーム開発への投資をさらに増大させており、とくにグローバル展開を前提とした大型タイトルに力を入れていくようだ。
オンライン広告事業の売上高は前年同期比23%増の218億元(約3700億円)。フィンテックおよび企業向けサービス事業は同47%増の390億元(約6600億円)だった。
(翻訳・愛玉)
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