漢方茶老舗「王老吉」の若返り作戦。インスタ映えするカフェ、コーヒーも販売

漢方茶の有名ブランド「王老吉」が、米セレクトショップのフレッド・シーガルと共同で台北市にカフェ「Fred Segal Cafe」を開業した。店舗運営や新商品開発などの新事業に手を広げ、経営方針を大きく転換するようだ。

Fred Segal Cafe店舗

数種類の漢方薬材を煮出した「涼茶」と呼ばれる薬膳茶は、体調を整える目的で広く飲まれてきた伝統飲料。高温多湿な香港や広東省を中心に、とくに暑気あたりに効果があると愛飲されてきた。これを製品化したのが王老吉ブランドだ。苦みやえぐみがあり、従来は飲みにくかった涼茶に甘味を加えて売り出すと、中国国内ではコカ・コーラをしのぐと言われるほどの売り上げを誇る国民的清涼飲料水となった。

今回、王老吉が台北市に開業したカフェは、カフェスペースのほかにショップなどを併設する複合施設だ。インダストリアル風のクールな内装やレトロ調のロゴなど、まさにインスタ映えスポットとして若者に好まれそうなスタイリッシュな店舗で、従来の王老吉のイメージとは一線を画する展開だ。

Fred Segal Caféのドリンク

王老吉の転身

時代を問わず愛される伝統飲料で支持を得てきた王老吉だが、若者に人気の芸能人をイメージキャラクターに起用し、コーヒーの販売を開始するなど、近年は若返りを図っているようだ。

2017年6月、広州市に初出店した店舗はわずか10平米のスタンド形式で、その後、国内に4店舗、台湾に1店舗を出店した。

製品にもニーズを意識した要素を加えている。スポーツ、アウトドア愛好者向けにペットボトル入りを発売したり、健康意識の高いビジネスマン向けに「カロリーゼロ」、受験勉強や深夜残業向けに成分を増量した「ストロング」などのラインナップを追加したほか、漢方茶以外の新製品にも着手した。

大手EC天猫(Tmall)の公式ショップで販売するココナッツミルク「椰桑」は、6本入り90元(約1400円)で販売されている。売り上げは多くはないものの、レビューでは高評価をつけている。王老吉側は同製品について「あくまで商品多角化の一角であり、将来的には商品構成をさらに拡大していく」と説明している。

ココナッツミルク「椰桑」

漢方茶だけでは生き残れない

漢方茶に絞ってブランド展開してきた王老吉にとって、近年の漢方茶不人気は、経営方針転換の大きな動機になったようだ。2009~2012年には年16~18%の成長を維持してきた漢方茶市場だが、2016年には4.2%にまで失速している。同年の市場全体の売上高は561億2000万元だった。

代わって台頭してきたのが、植物性たんぱく質を主成分とする飲料だ。2016年の市場規模は1217億元に達し、2007年の169億元から大幅に伸びている。中でもココナッツミルクは人気商品で、市場規模は200億元を超えている。

この人気に目をつけた王老吉だが、長年にわたって定着した「王老吉といえば漢方茶」とのイメージを払しょくするのはそう簡単ではない。多様な商品展開をアピールするには、さらなるPR戦略が必要だろう。
(翻訳・愛玉)

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