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キヤノンが先日、中国の広東省珠海市にあるコンパクトデジタルカメラ工場を閉鎖すると発表した。世界的なデジカメ市場の急激な縮小に、新型コロナウイルスの大流行が重なり、かつてないほどの経営困難に陥ったためだという。
このニュースは伝えられるやいなや、瞬く間に注目を集めた。同工場は、キヤノンの重要な海外生産拠点の1つであり、かつて珠海市屈指の大規模工場だった。キヤノン中国法人の関係者はメディアに対し、珠海工場はコンパクトデジカメの製造ライン停止後も、ごく一部の部品製造ラインを残すと答えた。
このほど、キヤノンの現地法人である「佳能珠海(キヤノン珠海)」の署名が入った『協議合意による労働契約解除の優遇案に関する通知』がネット上に出回った。同通知では、経済補償金、特別慰労金、就業支援金、記念ボーナス、春節慰問金などを含む補償案が示され、ネット上では「良心的な企業だ」という声が多く見られた。
中国の経済誌『時代週報』の報道によると、キヤノン珠海の元社員のひとりは、工場閉鎖決定以前の月収が7000~1万元(約12万5000~17万9000円)で、退職金を25万元(約449万円)受け取った。勤続30年の別の元社員は、最終的に150万元(約2690万円)余り受け取ったという。
珠海工場はキヤノンの中国における唯一のコンパクトデジカメ生産工場であり、デジカメ、デジタルビデオカメラ、イメージセンサー、レンズの生産拠点である。同工場の閉鎖は、デジカメの生産を中国大陸から他所へ移管させることを意味している。
(36Kr Japan編集部)
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