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3Dプリント会社「清鋒時代3D-X」は自主開発した光硬化型高靭性材料TM-81を発表した。4ヶ月前に同社がリリースした弾性材料EM-11と同様に、TM-81は超高速連続3DプリントLEAP™技術に適し、3Dプリントソリューションの応用をさらに拡大していく。
従来の光造形式3Dプリントに使用される感光性樹脂材料と異なり、TM-81は高強度、高靭性、高耐衝撃性などの物理的特徴を持つ。力学性能から見ると、他社の競合製品FDM方式用の ABS、射出成形用ABSと以下のような違いがある。
より直感的にこの素材の優れた靭性が分かる2つの例がある。TM-81で作られた直径3.5cmのC60フラーレン構造のボールは、75キロの体重に耐えられる。従来の硬質感光性樹脂の曲げ角度は60度以内だが、TM-81で成形された長さ12 cm厚さ3 mmのプレートは180度曲げることができる。
3Dプリント技術が実用化されてから久しいが、生産効率や材料性能、コストなど多くの要因によって、長い間「マニア向けハイテク玩具」といった存在だった。プリンター、ソフトウェア、原材料の全てが改善されれば、3Dプリントは様々なプロトタイプのみならず、最終製品の量産にも応用することができる。その段階に達して初めて、デザインの自由度が高くイノベーションが生まれる余地が大きい、生産サイクルが短いという利点を十分発揮できるようになる。
放熱性が高く低密度で、耐用年数の長いTM-81は、消費者向け電子製品、自動車、家電、医療機器、交通物流、航空宇宙など多様な産業で応用される可能性がある。
昨年、3Dプリント業界で最も重要なニュースの1つは、アディダスがデジタル製造技術開発の「Carbon」と業務提携し、量産10万足の規模で高性能シューズ「FutureCraft 4D」シリーズを発売したことだった。
スポーツシューズ以外にも、例えば、新製品発売サイクルの短さ、小ロット生産、市場からのフィードバックに柔軟に対応する必要がある場合などは3Dプリントでの量産に適していると考えられる。また従来の製造工程や原材料などの条件によってデザインの最適化が制限されている場合は、3Dプリントに移行すれば大幅な付加価値の向上(カスタマイズによる付加価値など)やコスト削減(生産性と歩留まりの向上など)が期待できる。したがって、TM-81はまず消費者向け電子製品や自動車などに応用される可能性が高いだろう。
長期的に見ると、製造業の高度化に伴い、3Dプリント技術はアジャイル生産方式としても注目を集めるだろう。それまでに、デザイン、モデリング、製造をカバーし、さらに、ハードウェア 、ソフトウェア と材料のトータルソリューションを揃えた企業は大きな強みを持つことになるだろう。
(翻訳:小林香奈子)
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