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不動産企業向けにデジタルマーケティングのソリューションを提供する「思為科技(IDEAMAKE)」が、シリーズBで5000万元(約8億円)を調達した。リードインベスターは「朗瑪峰創業投資(EVEREST VENTURE CAPITAL)」で、コ・インベスターは「同創偉業創業投資(COWIN CAPITAL)」。両者は過去にも同社に出資している。
2011年に設立された思為科技は、不動産企業向けにマーケティングの全シーンを網羅するデジタルツールを提供している。すでに「万科集団(CHINA VANKE)」、「碧桂園(COUNTRY GARDEN)」などの大手を含む不動産デベロッパー200社を顧客に持ち、国内のデベロッパー上位100社のうち6割を掌中におさめている。
創業者兼CEOの彭双全氏は、不動産業界ではIT化が後れていると指摘する。そのため、デジタルマーケティングを進めるには「資産のデジタル化」、「シーンのオンライン化」、「データの資産化」、「プロセスの自動化」という4つのステップを踏む必要があるとする。
同社はすでに、前半のステップについては大部分をカバーするソリューションを打ち出している。デジタルショールームを構築し、顧客がミニプログラムを通じて自宅に居ながらにしてモデルルームや鳥瞰図、立地、周辺環境などの物件情報を閲覧できるようになっている。また、デベロッパー向けに提供するSaaSでは、住宅購入を検討中の顧客の動向を追跡、遡及し、マーケティングの効率向上を支援する。
今回の資金調達後はさらに、コンテンツマーケティングのクラウド化戦略を進める。オンライン、オフラインの双方におけるマーケティングの全プロセスを網羅する技術支援を行い、顧客企業のデータ資産の構築をサポートしていく。
彭CEOいわく、データ資産の価値には2つの側面がある。一つ目は、個別のターゲットにマーケティングを行っていく際、より精度の高いアプローチができるようになるということだ。従来は100人のターゲットにアプローチしても、好感触が得られるのはわずか1%だった。データを使ってその1%の有望なターゲットに絞り込み、従来の10倍のエネルギーをかけてアプローチすれば、これまでの10分の1のコストで同等の成果が得られることになる。二つ目は、マーケティング活動の成果をデータ化して管理することにより、根拠のあるマーケティング戦略を再構築できるようになる。
現在はプロジェクト単位、組織単位の双方で技術支援を行っており、平均客単価は10万~100万元(約160万~1600万円)となっている。今年からはSaaSでも利用料を徴収している。これらの収益モデルによって、同社は過去5年連続で年100%以上のペースで成長を続けている。昨年の受注額は1億元(約16億円)を突破し、合計500以上のプロジェクトを手がけた。今年はさらにタイやマレーシア、イギリスなど、海外市場へも進出する計画だ。
中国では、土地、人口、関連政策のすべてにおいて恵まれている時期が終わりを迎えた。不動産デベロッパーがさらなる成長を求めるには、マネジメント体制を変える必要があり、そのためにはマーケティングのデジタル化が欠かせないと彭CEOは考える。
2018年、中国の新築住宅市場は15兆円(約235兆円)規模に達した。同社はこのうち10%の効率化を手がけることを目指す。デジタル化に未着手の企業は多く、市場には大きな成長余地がある。
同社の従業員は約220人。本社を深圳市に構えるほか、北京、上海、成都、武漢、昆明、杭州など各地に拠点を置いている。
(翻訳・愛玉)
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