業界リードする中国のリチウムイオン電池、次の一手は「グローバル化」と「現地化」

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中国は長年にわたる努力を経て、リチウムイオン電池中核部品の出荷量で世界シェア80%強を誇る。リチウムイオン電池関連企業は中国企業の海外進出ブームの中で存在感を放ち、単なる海外進出から現地化を進める重要な段階に入りつつある。

中国リチウムイオン電池大手の広州天賜高新材料は米国南部テキサス州に建設する電解液工場の設計作業を進めている。年産20万トンのリチウムイオン電池用電解液工場を完成させる予定で、フル稼働後は180ギガワット時以上のリチウムイオン電池生産に対応できる。同社はアフリカ北西部のモロッコでも電解液工場を設立する計画で、投資額は2億8千万ドル(1ドル=約150円)に迫り、現在は建設前の準備作業を行っている。同社はここ数年、世界をリードする電解液メーカーとしてグローバル戦略の布石を打ち続けており、23年には同社の電解液製品の世界シェアが31.2%に上昇した。

薄利多売では稼げない。リチウム電池の負極材が価格暴落、中国企業は海外進出加速へ

深圳市星源材質科技はリチウムイオン電池用セパレーターの世界的な主要サプライヤーの一つで、国内外の生産拠点建設を強化することを通じ、生産能力の向上を図っている。現在は江蘇省南通市、広東省仏山市、欧州、東南アジア諸国連合(ASEAN)などで生産拠点の建設を推進している。

グローバル化の面では、リチウムイオン電池製造設備メーカーの広東利元亨智能装備がドイツやポーランド、スイス、英国、米国、カナダ、韓国、日本、インド、インドネシアなどに支社や子会社、事務所を設立し、さらには研究開発センターやサービスセンター、生産拠点も構え、研究開発や生産、販売、アフターサービスの現地化に対する顧客のニーズに応えている。

中国企業が海外に送り出す製品は、労働集約型の製品から高付加価値分野の製品へと転換を遂げた。海外進出は大きなビジネスチャンスをもたらす一方、グローバル化に伴う試練も無視することはできない。現地化の水準を高めることが、中国企業の海外進出における新たな課題となっている。

広州天賜高新材料や広東利元亨智能装備、深圳市星源材質科技などリチウムイオン電池業界の大手各社は資源統合や技術イノベーション、顧客のニーズに寄り添うことを通じ、各社の特色あるグローバル化戦略を形成している。(新華社北京)

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